【がんの大学】がん光免疫療法とは?楽天が医薬品として世界初承認!


【安倍首相の持病】潰瘍性大腸炎とは?(高輪和合クリニック 陰山康成)


【唾液PCR検査】1回単価5,000円!企業、団体向け、月3回まで定額制15,000円/人月

高輪クリニック(院長・陰山康成先生)のご協力のもと

月3回まで、PCR検査をしても、金額15,000円という

「定額制PCR検査」をご提供します。

 

1回単価5,000円です。

 

ただし、10名以上のグループ、3か月契約、前金が条件です。

 

【グループ料金】

10名グループの場合

1.5万円x10名x3か月=45万円

 

PCR検査が3か月間、月3回まで検査可能です。

 

しかも、来院不要。(遠隔診療)

 

申込みご相談は、こちら

 



【動画】新型コロナに効く?レムデシビル、アビガン、大麻CBD(2020/05/22)


【がんの大学】白川太郎(医師、医学博士):本庶佑が認めた医師発見 がん細胞は3種類あった!(2019/6/23)


【無料ご招待】がん患者とサバイバーの情報交換の場を開設

LINEオープンチャットに

「がんサバイブ・クラブ by がん経済新聞」

を開設しました。

 

 

下記URL、または、QRコードから参加登録をお願いします。(LINEアプリのダウンロードが必要です)

 

https://line.me/ti/g2/SPSajyqyPlrp8zoocgH7ow

 

「がんサバイブ・クラブ by がん経済新聞」では

がん関連ニュース、セミナー情報などを発信して行く予定です。

 

また、がん患者さんとご家族の質問、

がんサバイバー、ドクターからの助言など

積極的な情報交換に、ご利用ください。

 

承認、未承認関わらず、根拠のある治療法は、

ご紹介いただいてOKですが、

 

目に余る違法なプロモーションや営業行為は、

ダメ出しをしますので、ご了承ください。

 


「がん経済新聞」メルマガ登録をすると「がん」に関する最新ニュース、学会、セミナー、イベントなどの情報をメールでお知らせします。

登録は、下記ボタンから


【News】がん関連 最新ニュース

iPS細胞でがん治療、国内初 免疫細胞を注射で移植(2020/10/22 朝日)

 iPS細胞からつくったがんを攻撃する免疫細胞を、千葉大と理化学研究所のチームが、口や鼻などにがんができる「頭頸部(けいぶ)がん」の患者に注射して移植したことが22日、わかった。がんの患者にiPS細胞を使った治療がされるのは国内で初めて。

 

 移植で使われた細胞は、ヒトの体内にわずかしかない「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」と呼ばれる免疫細胞。がんを攻撃したり、ほかの免疫細胞を活性化させたりするはたらきがある。健康な第三者の血液から採ったNKT細胞からiPS細胞をつくり、大量に増やす。それを再びNKT細胞に変化させて患者に移植する。

 

 今回の移植は千葉大病院で14日、実施された。1回約5千万個の細胞を、2週間おきに計3回注射する計画のうち、1回目の注射を終えた。安全性を確認しながら2回目以降の注射をするという。

 

がんの3割は「感染症」によって起こる - 原因となる病原体は?発がんを防ぐには?(2020/10/22 Yahoo)

感染症による発がんとは

比較的若い人でもがんとなるリスクがあり、さらに一部は明確に防ぐことができるものがあります。それが、今回お話しする「感染症による発がん」です。

 

 感染症とは、「病原体」が感染することによって起こる病気のことで、風邪やインフルエンザ、今流行している新型コロナウイルス感染症 COVID-19 などを思い浮かべる方が多いと思います。ヒトからヒトへとうつる病気ですね。感染症を引き起こす病原体としては、ウイルス、細菌、真菌(カビの仲間)、寄生虫、プリオン(感染するタンパク質)などがあります。

 

 感染症は、急性のもの(熱などがでて一週間程度でおさまるものが代表)だけでなく、慢性化して潜伏感染するもの(ヘルペスウイルス、例えば水ぼうそう・帯状疱疹など)、慢性炎症を起こすもの(肝炎ウイルスによるウイルス性肝炎)などがありますが、実はこれらの感染症の中に、明確に発がんのリスクとなるものも含まれているのです。

 

実に3割程度のがんは感染症がリスクとなる

 実は感染症による発がんは、全世界におけるがん全体のリスクの3割程度までを占めていると考えらえています。

 

 世の中には多くの感染症がありますが、その中でいくつかは確実にがんを引き起こすのです。ということは、それらの感染症にかかることを防いだり、治療をしたりすることができればがんを防ぐこともできるということなのですね。

 

がん患者をメークで笑顔に プロが無料アドバイス オンラインイベント開催へ(2020/10/08 msnニュース)

 がん患者をメークで笑顔に――。がん患者らにオンラインでプロがメークのアドバイスをする「LAVENDER RING MAKEUP&PHOTOS WITH SMILES」が、24、25の両日、開かれる。がん治療の副作用などで外見上の変化や肌の悩みを抱える人は多く、資生堂のメークのプロが一人一人の悩みに応じたアドバイスをし、魅力を引き出す。メーク後、撮影した写真はSNSにも投稿できる。主催者は「私の笑顔で社会を変えたいという方、ぜひご参加ください」と話す。9日まで参加者を募集している。【賀川智子】

 

患者が生き生きと生活できる社会の実現を

 

 日本人の2人に1人はがんになるという時代、医学の進歩でがんは「治る病気」になりつつある。一方で、偏見や間違った認識から、がん患者が社会との関わりに自信がもてなくなってしまったり、孤独に陥ったりするケースも多い。

 

 「LAVENDER RING」プロジェクトは2017年、広告大手の電通に勤める月村寛之さんが、がんが発症した同僚が仕事を続けられるようさまざまなサポートをしたことをきっかけに始まった。以来、がん患者が生き生きと生活できる社会の実現に向け、企業や団体の賛同を得て関連イベントを企画・運営してきた。

 

がん副作用の脱毛や肌の悩みにプロがアドバイス

 

 「MAKEUP&PHOTOS WITH SMILES」を電通と共催する資生堂は1956年、戦禍でやけどを負った人のため「スポッツカバー」の販売を始めた。その後、がん治療の副作用などによる外見上の変化や、青み、赤みなど肌の悩みを持つ人のためのアドバイス施設「資生堂ライフクオリティー ビューティセンター」を開設するなど、がん患者へのメークのノウハウを長年培ってきた。

 

 オンライン企画では、資生堂ビューティーコンサルタントが、自分らしさを表現するメーキャップ方法や、治療の副作用による眉の脱毛、肌のくすみなど外見上の悩みの解決方法をマンツーマンで分かりやすく教える。メーク完成後、参加者がスマートフォンで写真を撮り、SNSに公開することができる。

 

オンラインで実施 参加費無料

 

 1日4回、各回90分。参加費無料。定員100人。応募は9日17時まで受け付ける。参加条件は、パソコンまたはスマホでオンライン会議システム「Teams」を使える人(使用料無料。データ通信費は参加者負担)。自分一人だけでなく、家族、友人などのサポートでメーキャップができる人も対象。男性も参加できる。

 

「がん自滅」健康食品販売、シンゲンメディカル会社役員に有罪判決 大阪地裁(2020/10/08 産経)

 健康食品で「がん細胞が自滅する」と宣伝し、がん患者らに販売したとして、医薬品医療機器法違反の罪に問われた健康食品販売会社「シンゲンメディカル」(東京都中央区)社長、藤岡成友被告(47)ら2人の判決公判が7日、大阪地裁で開かれ、坂口裕俊裁判官は藤岡被告に懲役1年2月、罰金100万円、執行猶予3年(求刑懲役1年6月、罰金150万円)を言い渡した。

 

 判決によると、被告らは共謀し平成28年2月~昨年5月、医薬品として未承認の健康食品「全分子フコイダンエキス2000」にがん細胞を自滅させる効果があると宣伝。顧客1人に1箱計約5万2千円で販売した。判決理由で坂口裁判官は商品の説明を読めば「治療や予防に使用されると理解できる」と認定した。

 

 大阪府警によると、被告らはこの健康食品を少なくとも約9900人に販売し、約28億7千万円を売り上げていた。

 

舌がん、喉頭がん、肺がん…エディ・ヴァン・ヘイレンさん 病魔との〝10年戦争〟(2020/10/07 東スポ)

 6日に65歳で亡くなった米人気ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のギタリスト。エディ・ヴァン・ヘイレンさんは10年以上にわたり、がんとの闘病を続けてきたと米芸能サイト「TMZ」が伝えた。

 

 同サイトによると、特にこの5年は喉頭がんの放射線治療を受けるため米国とドイツを往復。しかし、昨年11月から状態が悪化し、新たに見つかった肺がんは脳や他の臓器にも転移。今年は入退院を繰り返していた。

 

 エディさんに最初のがんが見つかったのは2000年。舌がんだったが、エディさんは「20年以上、演奏中に金属製のギターピックを口に加えていたことが原因だ」と話していた。舌がんは2年間の治療で完治したとされた。

 

 エディさんは1955年、オランダ・アムステルダムで生まれ、60年代初頭に家族で米国に移住した。幼いころはクラシックピアノを習っていたが、やがてギターに転向。ドラムを担当する兄アレックスにリードボーカル、デビッド・リー・ロスとベースのマイケル・アンソニーを加え、70年代に「ヴァン・ヘイレン」を結成した。

大腸がん診断、AIで支援 富士フイルムが国内でも販売(2020/10/07 日経)

富士フイルムホールディングスは、大腸の内視鏡検査の支援に使う画像ソフトを年内に国内で発売する。早期がんなどの疑いで切除すべきポリープかどうかについて、人工知能(AI)が映像をリアルタイムで分析する。欧州では先行発売しており、このほど日本国内の薬事承認を取得した。医師の見落としを防ぎ早期発見を手助けする。

 

ソフトが内視鏡で撮影した映像を分析し、大腸ポリープがあるかどうか検出する。ポリープが、早期がんやがんになる前段階の「前がん病変」などで切除が必要なものだと識別すれば、内視鏡の画面に黄色で表示し医師の判断を助ける。

 

内視鏡の映像を映し出すのと同時にソフトが動き、動画を止めたり、拡大したりする操作は不要という。同社の内視鏡で使える。国内の販売価格は未定だが、9月に先行投入した欧州では500万円前後で売っている。

 

世界保健機関(WHO)によると、大腸がんの罹患(りかん)者は年間約180万人にのぼり、がんでは肺がんや乳がんに次いで3番目に多い。内視鏡検査で早期がんや前がん病変の発見が重要とされるが、医師の間で技術に差がある。新型ソフトで課題を解決する。米国や東南アジアなどでも販売を計画する。

 

がん細胞が酸性環境下でも生存できるメカニズムを解明-大阪大学(2020/10/05 monoist)

 大阪大学は2020年9月12日、がん組織内の酸性環境にがん細胞が自らを最適化する現象「acid addiction(酸中毒)」を発見し、その適応機構を解明したと発表した。同大学微生物病研究所 教授の三木裕明氏らの研究グループによる成果だ。

 

 研究チームは、悪性ヒトがん細胞で高発現するPRL分子により、細胞の増殖しやすい環境pHが通常の7.4前後からがん組織でみられるpH6.5前後(酸性側)にシフトすることを発見。がん組織内の酸性環境では増殖できるが、通常細胞にとって最適なpH7.4前後ではほとんど増殖できなくなる現象を見出し、これをacid addictionと名付けた。

 

 また、関連遺伝子の網羅的なスクリーニングにより、酸性環境下への適応機構を明らかにした。具体的には、PRLの働きにより、リソソームが細胞辺縁部に移動して細胞膜と融合し、リソソーム内にある高濃度のプロトンを細胞外へと放出する現象「lysosomal exocytosis」が生じる。これによりがん細胞は、酸性環境下でも細胞内のプロトンを一定レベルに保ち、盛んに増殖できる。

 

 従来の研究で、がん組織内の酸性化は明らかにされているが、がん細胞が酸性環境下で増殖し続けられる仕組みは不明だった。今回の研究により、酸性環境への適応機構が明らかになったことで、これをターゲットとした新たながん治療法開発への応用が期待できるとしている。

 

28歳で子宮がんに。治療を終えたあとの QOLも上げたい。がんサバイバー女医の「私の場合」(2020/10/03 OurAge)

実際にがんを体験し、がんと向き合って生きていくがんサバイバー。そして、今や2人に1人はなるともいわれる「がん」。現在40~50代で活躍中の女医の皆さんは、この病気にどう向き合っているのだろう?現役医師として活躍しながらがんサバイバーでもある皮膚科・形成外科 旭川皮フ形成外科クリニック 水野寿子さんに話を聞いた。

 

がんを目の敵にするのではなく、 どう共存していくかが重要

水野先生の経緯

●28歳のときに子宮がんに

●化学療法をしたのちに手術

●術後、薬物療法と放射線治療を受ける

●治療に8カ月を費やす

●治療を終えて1カ月後に仕事に復帰する

●リンパ浮腫に悩まされる

●術後28年が過ぎた今も、半年に一度、腫瘍マーカーを含む血液検査と超音波、組織検査などを受けている。PET検査は医師と相談しつつ継続

●現在も2年に一度、リンパ浮腫の手術を受けている

 

がん治療を終えたあとの QOLも上げていきたい

水野寿子先生は、28歳のときに子宮がんになった。検査を受けたときにはかなり進行していて、原発巣がどこかわからない状態だったのだとか。

 

「臨床的にも病理学的にも子宮体がんか子宮頸がんか同定できず、原発部位は不明のまま。でも当時、自覚症状はほとんどなく、たまに不正出血がある程度だったんです。ほかには腹痛も貧血もありませんでした。不正出血の量が多かったので、たまたま手があいていた院内の婦人科の医師に診てもらったら見つかった、という感じでした」

 

手術の前に、薬物療法でがんを小さくすることになった水野先生。脚の動脈の中に管を入れ、そこから抗がん剤を注入する治療を受けたそう。

 

「餅は餅屋で、すべてプロである先生にお任せしていました。私の場合は、抗がん剤の副作用で落ち込むとか、うつっぽくなることはなかったですね。ある程度がんが小さくなったところで、広汎全摘手術とリンパ節郭清(病巣付近のリンパ節の切除)をしました」

 

手術後にもう一度抗がん剤治療をし、さらに放射線治療を実施。短期の入退院を繰り返しながら、約8カ月を治療に費やしたという。

 

肺がんステージ4のユーチューバー「人生は一度きり、楽しもう」 全国巡り、がん患者との対談を公開(2020/10/03 京都新聞)

 肺がんで症状が最も進んだ「ステージ4」の男性が今夏から、京都を含む各都道府県を巡ってがん患者たちと対談し、その様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。2年前に告知を受けた当初は絶望したが、「楽しんでも悲しんでも人生は一度きり。せっかくなら楽しもう」と心機一転。自由に生きる姿を通して「夢や目標を諦めないで」と訴える。

 

 沖縄県那覇市の橋本顕彰(あきら)さん(43)。マッサージ業を営み、浦添青年会議所副理事長を務めていた2017年夏、血たんやせきが出るようになり、検査の結果、18年1月にがんと判明。医師から「症状が進行し、手術さえできない」と告げられ、「悔しくて絶望的になった」と振り返る。

 

 幸い、2社のがん保険に加入していて、抗がん剤治療に伴う医療費への不安はなかった。限られた時間を自分のために過ごそうと仕事を辞め、念願だった海外旅行へ。アジア11カ国を訪れたが、新型コロナウイルス禍を機に「人のためになりたい」と思うようになり、がん患者との対談番組「ガントーク」をユーチューブで立ち上げた。

 

 対談相手をネットで全国から募り、9月3日に沖縄を出発。九州から北海道までバイクで北上後、再び南下する予定という。病気や抗がん剤の影響で身体がむくんだり、しびれが出たりもするが、治療のため11月中旬に沖縄に戻るまで、旅をしながら対談を続ける計画だ。

 

がん患者のiPS細胞で大量の免疫細胞 治療法を研究へ(2020/10/02 朝日)

 京都大iPS細胞研究所は1日、がん患者のiPS細胞から大量の免疫細胞をつくり、がんを治療する研究を、大阪大発ベンチャー企業「KOTAI(コウタイ)バイオテクノロジーズ」と始めると発表した。研究期間は3年間で、その後、実際に患者に使う臨床研究をめざす。

 

 研究では、患者のがん組織に含まれる、がんを攻撃する免疫細胞を採取し、iPS細胞をつくる。iPS細胞は様々な細胞になるうえ、無限に増やせる性質がある。この性質をいかして大量の免疫細胞に変化させ、患者に戻して、がんを退治する方法の確立をめざす。

 

 免疫細胞は一つの細胞ごとに攻撃する対象が異なる。がん組織に含まれる免疫細胞はがんを攻撃しているとみられ、治療効果の高い免疫細胞を見つけやすい。攻撃対象を認識する仕組みはiPS細胞になっても保たれるため、再び免疫細胞に変化させた後も、がんを攻撃することが期待できるという。

 

 対象とするがんの種類は非公表…

 

がんの発見と治療に放射性薬、アステラスが治験へ(2020/10/01 日経)

アステラス製薬はがん治療向けに患者の体内で放射線を出す薬を開発した。薬はがん細胞にピンポイントでくっつく。がんを見つける診断薬と、がんを攻撃する治療薬を開発する。体外から放射線を照射する従来の治療に比べ、健康な臓器を傷つけるリスクが少ない。早期の実用化を目指し、同様の薬で先行する海外勢を追う。

 

アステラスは大腸がん、肺がん、乳がんなど向けに「放射性医薬品」と呼ばれる薬の候補物質を開発した。診断薬と治療薬でそれぞれ実用化を進めている。動物実験などで安全性を確認したうえで、近く臨床試験(治験)に入る。

 

放射性薬にはがん細胞のたんぱく質にくっつく抗体と、放射線を発する物質とが含まれる。アステラスは抗体を作る技術を持っている。放射線技術の進展で放射線の種類が増え、用途に応じた薬の開発が可能になったことも背景にある。

 

放射性薬は点滴のように静脈に注射して投与する。投与後は陽電子放射断層撮影装置(PET)と呼ばれる診断装置で観察する。

 

がん見落とし60代女性が死亡…大阪市立総合医療センター(2020/10/01 読売)

 大阪市民病院機構は1日、市立総合医療センター(都島区)で昨年7月に受診した60歳代の女性のがんを見落とすミスがあったと発表した。女性は7か月後にがんと診断され、今年5月に死亡。センター側は治療の遅れが死亡につながったとして、女性の遺族に謝罪した。

 

 

 発表では、女性は2006年から子宮筋腫の治療でセンターに通院。19年7月、子宮の摘出手術に伴ってコンピューター断層撮影法(CT)検査を受けた際、放射線診断科の医師が、画像診断報告書で肝臓がんの疑いを指摘したが、婦人科の担当医がこの記載を見落とし、治療せずに女性を退院させたという。

 

 今年2月、女性が体調不良を訴え再びCT検査を受けたところ、肝臓付近のがんが肥大化し、肺や骨などに転移しているのが見つかった。女性は抗がん剤治療を受けていたが今年5月に死亡した。19年に指摘された段階で精密検査を受けていれば、摘出できた可能性もあったという。

 

 同病院機構は「単純な見落としで、医師間の連携も不足していた。深くおわびし、再発防止に努める」としている。

 

小児用抗がん剤なぜ増えない 個人輸入でしのぐ患者も(2020/09/28 日経ヘルスUP)

 

先端的な抗がん剤などが次々に登場するなかで、小児用の薬がなかなか増えない。患者数が少なく臨床試験(治験)がしづらいうえに薬の形状や量の工夫に手間がかかり、製薬会社も敬遠しがちなためだ。個人輸入し、用量や服用期間がわからないまま不安を抱きながら使っている患者もおり改善を求める声は多い。

 

「おなかが痛い」。2006年のクリスマスイブに5歳の娘、一乃さんが腹痛を訴えたのを浦尻みゆきさんは鮮明に覚えている。近所のクリニックの診断は便秘。様子を見ることにしたが、5日後に体調が急変して専門病院の救急を受診し、神経芽腫というがんが破裂したことがわかった。

 

神経芽腫は0~4歳の乳幼児に多い病気だ。発症するのは年間約200人という珍しいがんで、診断時には全身に転移していることも多い。治療はまずシスプラチンやシクロホスファミドなど既存の抗がん剤を組み合わせて投与するのが一般的だ。必要に応じて放射線も併用する。

 

自身の血液を作るもとになる造血幹細胞をあらかじめ採取、保管しておき、抗がん剤治療後に移植する方法もある。病変部を摘出できる場合は手術もする。浦尻さんもこうした治療を経験し、いったん回復した。ところが4年8カ月後に再発し、厳しい治療を繰り返して何とか切り抜けた。

 

再発防止用の薬として米欧で使われているレチノイン酸のことは知っていた。もともとにきびの飲み薬で日本では承認されていない。最初の治療後は使わなかったが「自分を責め、今度は絶対に使うと心に決めていた」。医師に相談し個人輸入して服用した。そのおかげか、2度目の再発は起きていない。

 

「レチノイン酸は米欧では神経芽腫の再発を防ぐのに使うのが当たり前」(国立成育医療研究センターの富沢大輔小児がんセンター診療部長)。患者や家族の組織、神経芽腫の会のアンケート調査によると、回答者の約9割がレチノイン酸を「内服した」、または「内服中」と答えた。6割近くは個人輸入していた。

 

野菜スープにコロナを防ぐ効果? ノーベル賞有力候補の世界的研究者が語る(2020/09/20 Yahoo)

-この春に出た著書を読みました。がんやウイルス感染症の予防には、野菜スープが効果的だと紹介されています。詳しく教えてください。

 

 「私は元々ウイルス学、細菌学が専門です。ウイルスなどが体内に侵入すると白血球が活性酸素を放出して撃退します。ところが活性酸素が増えすぎると正常な細胞も傷つき、炎症を起こしてがんや肺炎などの原因になります。野菜に含まれるベータカロテンやポリフェノールなど、植物性の化学物質には活性酸素を中和する働きがあり、症状が悪化するのを防ぐのです」

 

 「スープというのもポイントです。野菜を生で食べても成分が細胞内に閉じ込められたままですが、熱を加えると細胞壁が壊れて溶け出し、吸収されやすくなりますから」

 

 

-新型コロナでも効果は期待できるのでしょうか。

 

 「これまでインフルエンザウイルスで研究してきましたが、コロナウイルスも性質が似ているので、効果は期待できます。活性酸素が関係するメカニズムは同じだと考えられます」

 

 「新型コロナは、インフルエンザよりは強力かもしれませんが、今ほど怖がらなくてもいいのではないでしょうか。重症化はウイルスと細菌の混合感染で起こります。コロナでの混合感染の状況はまだ分かりませんが、(細菌に効く)抗生物質を使うことで、混合感染による重症化や敗血症が改善する可能性は強いと思います」

 

 

-先生はうがいについても、その効果をPRされています。

 

 「家ダニのふんに含まれるプロテアーゼというタンパク質分解酵素が、ごく微量でもウイルスの増殖を100倍ぐらい増強します。うがいでこうした物質やウイルスを減らせば発症を予防できます。のどの乾燥を防いで、粘膜の繊毛細胞がウイルスを排出する機能も保持できます。うがいは呼吸器感染症対策の基本で、もっとPRされるべきです」

 

38歳でがん発病、受精卵凍結~村上睦美さん(1)医療ジャーナリスト(2020/09/20 日経)

北海道新聞の記者だった2003年に悪性リンパ腫の3期と診断された。背中と胃の痛みに悩まされており、原因が分かって納得した。だが厚生労働省担当として仕事に夢中になっていたときだった。「どうして……」。悔しさがこみ上げた。

 

国立がん研究センター中央病院での精密検査で、最も進行した4期と確定診断された。リンパ腫は胃や肺などに広がっていた。結婚1年余りで38歳だった。「将来は子どもを産みたい」と主治医に伝えたが「まず自分の命を大切に」と諭された。

 

 

諦めきれず、夫とインターネットで検索した。米国では治療前に精子や卵子を凍結し、治療後に子どもを授かった体験談をいくつも探せた。日本では探せず落胆していたとき、卵子凍結に関する新聞記事を思い出した。切り抜きを入れる箱をガサゴソと探して見つけた記事には「卵子を凍結保存する人が増えている」などと書いてあった。

 

訪れた不妊治療専門の診療所は受精卵の凍結を勧め、抗がん剤治療の日程を延期した。凍結した4つの受精卵に希望を託し、がんセンターに入院した。

 

治療は抗がん剤6回と、認可されて間もない分子標的薬を4回。最初の抗がん剤2回と分子標的薬2回は入院して治療を受け、その後に外来で2回治療を受けた後、職場復帰した。「早く復帰しなければ取り残される」。焦りで頭がいっぱいだった。残りの治療の日は休むことに上司は理解を示してくれた。

 

多くの仲間にも助けられた。記者がごった返す中、政治家にICレコーダーを向けたが、治療で抜けた頭髪をカバーしていたカツラが取れそうになった。民放テレビの女性記者は「私がカツラを押さえてあげるわ!」と明るい声で叫んだ。私も周りの記者たちも大笑いした。

 

でも、働きながらの治療は大変だった。取材中に吐き気をもよおし、トイレに駆け込んだ。集中力が続かず、焦りから夜は寝られない。味覚もおかしくなった。若かったから相当無理をした。そんな中、追いかけていた年金改革の節目の記事を書けたときは本当にうれしかった。

 

 むらかみ・むつみ 1964年札幌市生まれ。92年北海道新聞社入社、2003年に悪性リンパ腫を発症し翌年退社。がんの再々発や難病を克服し、17年からフリーの記者として活動を再開。「がんと生き、母になる―死産を受け止めて」(まりん書房)を19年3月に出版。

 

[女優 高橋メアリージュンさん]子宮頸がん(2020/09/19 読売)

 「高橋さん、もうすぐ29歳になられるんですね。子宮 頸けい がん検診を受けたことはありますか」

 

 2016年の秋、かゆみの治療のために通院していた産婦人科の医師に勧められ、軽い気持ちで検診を受けた。子宮頸がん検診は、20歳以上での受診が推奨されている。

 

 ファッション誌の専属モデルなどを務めた後、女優としてデビューし、ドラマに映画にと多忙な毎日を送っていた。ジムで体を鍛えるなど健康には人一倍気を使っていた自信もあり、「安心を買う」くらいのつもりだった。

 

 ところが、予定の1週間後よりも早く、「病院に来てほしい」との電話。駆けつけると、「ちょっと結果が良くなかったので、大きな病院に行ってほしい」と言われた。

 

 その時点でも、まだ気持ちには余裕があった。周囲に、再検査を受けたが「結局は大丈夫だった」という友人が多かったためだ。数年前に、子宮頸がんワクチンの予防接種を受けていたのも理由だった。

 

 精密検査の結果は、「高度異形成」。がんではないものの、一歩手前の状態で、ほうっておくと、がんに進む可能性がある。

 

 「がんになるのは嫌なので、手術を受けたいです」。子宮頸部をレーザーで切除する 円錐えんすい 切除を受けた。だが、心配はそれでは終わらなかった。

 

ナノキャリア社、卵巣がんの治療薬候補が臨床試験開始見込み、早ければ2020年中に(2020/09/17 日刊工業新聞)

ナノキャリアは、遺伝子治療薬「VB―111」の卵巣がんを適応症とした第3相臨床試験について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前相談を開始した。米国を中心にイスラエルのVBLセラピューティクスが実施中の、国際共同臨床試験に参加する。日本での第1、第2相試験が不要になる。早ければ2020年中に開始できる見込みだ。

 

VB―111は、ウイルスベクターの中に血管を新生する内皮細胞を選択的に細胞死させる遺伝子を組み込んだ医薬品。がん細胞に栄養がいかなくなり、死滅させられる。

VB―111が引き起こした免疫反応が、がん細胞を攻撃する作用も期待できる。原発巣である卵巣がんおよび転移したがんを治療できる可能性がある。

 

臨床試験の対象は標準治療薬の一つであるプラチナ製剤が効かなくなった卵巣がん。プラチナ製剤やタキサン系抗がん剤は2割の人には効かず、効いた7―8割の人も半数以上が2年以内に悪化するという。

 

臨床試験は30例程度になる見込み。松山哲人社長は「卵巣がんは治療法が見つからず悩む人が多い。新たな選択肢として提供できるようになれば」と話す。

 

VB―111はVBL社が開発した薬で、ナノキャリアが日本における開発、供給、販売権を持つ。VBLが実施中の試験において、中間報告で効果が確認されたため、日本から参加する。

 

ナノキャリアは1996年設立の創薬ベンチャー。独自技術「ミセル化ナノ粒子」を保有し、がん領域を中心に医薬品の研究開発を進めている。

 

抗がん剤なしでも一定効果 トラスツズマブ、愛知県がんセンター確認(2020/09/18 中日)

 乳がんの再発防止目的で、がん細胞の分裂を抑える抗がん剤と併用して使われる分子標的薬トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)は、単独で使っても効果が生じることを愛知県がんセンター(名古屋市)の沢木正孝・乳腺科部医長らが確認した。これまでは副作用から抗がん剤使用をためらう患者はトラスツズマブの使用もできず、無治療になっていた。乳がん治療の選択肢を広げる研究成果という。

 

 十六日付の米専門誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー」電子版で発表した。乳がんの発生原因の一つとされる「HER2」(ハーツー)遺伝子の活発化を防ぐトラスツズマブは、抗がん剤との併用が標準治療になっている。ただ、抗がん剤は脱毛や吐き気、発熱、貧血といった副作用が出ることが多く、「使わないがん患者は少なくない」(沢木医長)という。

 「抗がん剤治療を選ばない患者もトラスツズマブを使うチャンスはないのか」と考えた沢木医長は二〇〇九〜一七年、七十歳以上の乳がん患者計二百七十五人の同意を得た上で、トラスツズマブ単独と抗がん剤との併用を比較した。

 

 「抗がん剤治療を選ばない患者もトラスツズマブを使うチャンスはないのか」と考えた沢木医長は二〇〇九〜一七年、七十歳以上の乳がん患者計二百七十五人の同意を得た上で、トラスツズマブ単独と抗がん剤との併用を比較した。

 治療開始から三年間、再発せずに生きられる人の割合は単独、併用とも全体の九割でほとんど効果は変わらなかったという。再発した患者数がいずれも少数にとどまったため、統計的に「併用と変わらない」とまでは証明できなかったが、「単独でも一定の効果は生じる」と結論付けた。

 単独の場合は副作用がほとんど発生せず、アンケート方式で確認する「生活の質」(QOL)も単独の方が低下しにくかった。県がんセンターでは今後、トラスツズマブ単独での使用もしていくという。

 

大腸がんタンパク質の働き解明(2020/09/18 NHK北海道)

「大腸がん」の進行を抑えることができるたんぱく質の働きを、北海道大学の研究グループが詳しく解明し、新たながん治療の開発につながるのではと期待されています。

 

研究を行ったのは、北海道大学大学院医学研究院の築山忠維助教らの国際共同研究グループです。研究グループは、大腸にある「RNF43」というたんぱく質に注目して、大腸がんの進行にどのように関わっているのかを詳しく調べました。

その結果、「RNF43」は、通常、「リン酸化」という反応を起こして、がん細胞の増殖を抑える働きをしていますが、変異が起きて「リン酸化」しなくなると、がん細胞の増殖をむしろ活性化させてしまうことがわかりました。

さらに、たとえ「RNF43」に変異が起きても、「リン酸化」の反応さえ起こせれば、がん細胞の増殖を抑えられるとしています。

研究グループによりますと、「RNF43」の変異は、大腸がん以外にも胃がんやすい臓がんなど特に消化器官系のがんで確認されていて、築山助教は、「道のりはまだ長いが、新たな治療法の開発に向けて、さらに研究を進めていきたい」と話しています。

 

WHOは抗がん剤を禁止している?抗がん剤は米国で使われていない?あなたの周りに広がる噂を検証(2020/09/18 Yahoo)

「がん治療」についての様々な噂がネットには広がっています。その中に「WHO(世界保健機関)は抗がん剤使用を禁止している。抗がん剤は米国で使われていない。だから、抗がん剤治療を受けてはいけない」というのがあります。

 

この話はネットを中心に大きく広がっていて、YouTube動画や書籍などにも登場します。

 

そのため、患者さんから「この話は本当でしょうか?」と質問を受けることもしばしばあります。実際に、この話を信じて抗がん剤治療をやめてしまったという患者さんまでいます。

 

この噂は本当でしょうか?事実はどうなのかを詳しく解説したいと思います。

 

<抗がん剤とは何か?>

まず、抗がん剤とは何かという話から始めます。抗がん剤とは一般的にがん細胞を殺す目的で使われる薬の総称です。

 

その中には、細胞障害性薬、分子標的薬、ホルモン剤、免疫チェックポイント阻害剤など、いろいろな種類の薬が含まれます。古いものは何十年も前から使われているものもあるし、近年に開発された新しい薬もあります。

 

医療者の中には細胞障害性薬のみを抗がん剤と呼ぶ方もいます。しかし、一般の方は細かな区別をせずに、がんに使う薬全般を抗がん剤と呼ぶことが多いので、今回はがんに使う全ての薬を含めて、抗がん剤と呼んで解説を進めていきます。

 

<WHOは抗がん剤を推奨している>

本題に入ります。WHOは抗がん剤を禁止しているのでしょうか?

 

結論から言うと、WHOは禁止などしていません。

 

WHOのがん治療に対しての見解は、こちらのWHOサイトに明確に示されています。

 

内容を要約すると、「がん治療では科学的根拠に基づいた、手術・放射線治療・薬物療法を行うことが大事である」「WHOは30種類の抗がん剤を必須の薬剤としてリストアップしている」などと書かれています。

 

WHOは世界各国の医療がスムーズに進むように、膨大な数がある医薬品の中から、用意すべき必須薬をリストアップするという作業をしています。2015年の必須薬リストの中には、30の抗がん剤を入れています。このリストは2019年に改定されて、さらに抗がん剤が追加されています。

 

WHOは抗がん剤を禁止するどころか、むしろ抗がん剤治療を強く推奨しています。

 

日本の半導体技術が詰まった小型のがん治療装置、21年にも治験へ(2020/09/17 日経XTECH)

 電気自動車などに使われる「炭化ケイ素(SiC)半導体」技術が、中性子を照射して体内のがんを死滅させるがん治療装置の小型化に貢献している。福島SiC応用技研(福島県双葉郡)がSiC半導体を活用し、治療に必要な中性子を発生させる加速器の小型化に成功した。従来のがん治療用の加速器と比較して、10分の1の大きさになる。

 

 がん治療用の加速器が小型化すると、装置を導入する病院側の費用を抑えられるメリットがある。大きい加速器を利用する場合、中性子などが外に漏れないようにするため遮蔽用の建物を建設する必要がある。一方で福島SiC応用技研の場合は装置そのものを遮蔽すればよく、医療機関は既存の部屋に装置を設置できる。建物を新たに建設する必要がないため装置の導入コストを下げられる。

 

 福島SiC応用技研は臨床用の中性子照射装置の製造を完了した。2021年にも京都府立医科大学付属病院で治験を開始し、2024年に医療機器としての承認取得を目指す。2020年9月4日には、アステラス製薬のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)などを対象とする第三者割当増資で31億円の資金調達を完了。調達した資金は治験費用と海外での医療機器としての認証取得に充てる。

 

 福島SiC応用技研が開発するのは、がんを対象としたホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)向けの中性子照射装置である。BNCTはがんに取り込まれやすいホウ素(B)の同位体であるホウ素10(10B)と、中性子による核反応を応用した治療法。患者はあらかじめ10Bを含んだ医薬品を点滴し、体内のがんに10Bを取り込ませる。その後、照射装置で体外から中性子を当てる。

 

 照射する中性子線はエネルギーが小さく人体への影響はほとんどない。ところが10Bとは核反応を起こし、強力な粒子線(アルファ線と7Li粒子)を発生させる。これらの粒子線は体内では半径10マイクロメートル程度の限られた範囲しか広がらないため、10Bを取り込んだがん細胞を特異的に破壊する。

 

 BNCTについては2020年3月に国内で初めて10Bを含む医薬品と中性子照射装置が承認され、その後保険適用された。医薬品を開発したのはステラファーマで、装置を開発したのは住友重機械工業である。頭頸部がんの患者を対象としており、福島県にある南東北BNCT研究センターなどで保険診療扱いの治療が始まった。日本でのBNCTの実用化に続けと、様々な企業が中性子照射装置の開発に取り組んでいる。福島SiC応用技研もその1つだ。

 

豆腐など「大豆食品」で膵臓がんリスク上昇?日本での研究より(2020/09/16 ダイアモンド)

 健康に良いとされる豆腐などの「大豆食品」。乳がんなど一部のがんの発症リスクを下げる効果が報告されている。

 

 ところが、国立がん研究センター「多目的コホート研究(JPHC)」から、膵臓がんに関しては逆に発症リスクを高める可能性を示唆するデータが報告された。

 

 今回の報告は、1995年と98年、食事に関するアンケート調査に回答した9万0185人(年齢45~74歳)を対象に、大豆食品の摂取量と膵臓がんとの関係を追跡調査したもの(追跡期間中央値は16.9年)。

 

 追跡中に577人(男性314人)が膵臓がんを発症。回答から(1)総大豆食品、(2)納豆、みそなどの発酵性大豆食品、(3)豆腐、油揚げ、豆乳などの非発酵性大豆食品の摂取量を計算し、摂取量が最も少ない群から最も多い群まで4グループに分け(四分位)、膵臓がんの発症リスクを比較した。

 

 その結果、総大豆食品摂取量が最低のグループ(第一分位)を1とすると、最も摂取量が多かったグループ(第四分位)は膵臓がん発症リスクが1.48倍と最も高く、摂取量が多いほどリスクが上昇することがわかった。

 

 また、非発酵性大豆食品単独での発症リスクは、第四分位グループで1.41倍と有意に関連が認められた一方、発酵性大豆食品の摂取量と発症リスクとの関連は認められなかった。

 

 製品ごとでは、豆腐の摂取量が多くなるほど膵臓がんリスクが上昇するという、いささか衝撃的な結果がでている。研究者は「動物実験レベルでは非加熱の大豆入り飼料で下痢や膵臓の腫れが認められている。大豆に含まれる消化酵素阻害成分の影響があるかもしれない」と推測している。

 

 もっとも豆類に関しては、欧米の先行研究で、むしろ膵臓がんを予防する効果が報告されている。また、本研究は一度のアンケート調査から摂取量を推計しており、追跡期間中の「食の変化」は反映していない。短絡的に「食べてはいけない」と思い込まず、ほどほどの量を心がけるといいだろう。

 

もはや疑えない福島での「がん多発」(2020/09/10 Yahoo 週刊金曜日)

福島県では6年連続で胃がんが「有意な多発」

 そこで、本誌昨年6月7日号掲載の拙稿(東京電力福島第一原発事故と「全国がん登録」 福島県、「最短潜伏期間」過ぎた胃がんで「有意な多発」)に引き続き、16年と17年のデータをもとに、「全国胃がん年齢階級別罹患率」と福島県の同罹患率を比較してみることにした。

 

 男女ともにさまざまな年齢層で、全国平均を上回っている年齢階級が散見される。

 

 次に、全国と同じ割合で福島県でも胃がんが発生していると仮定して、実際の罹患数と比較してみる検証を行なった。疫学の手法で「標準化罹患率比」(略称SIR、standardized incidence ratioを計算する方法だ。全国平均を100として、それより高ければ全国平均以上、低ければ全国平均以下を意味する。

 

 福島県の胃がんについて、08年から17年までのSIRを計算してみた結果は、次のとおり。

 

【胃がん】福島県罹患数 SIR

08年男 1279   88・3

09年男 1366   94・1

10年男 1500  101・1

11年男 1391   92・2

12年男 1672  110・6

13年男 1659  110・9

14年男 1711  119・3

15年男 1654  116・6

16年男 1758  116・3

17年男 1737  120・0

 

08年女  602   86・6

09年女  640   94・2

10年女  700  100・9

11年女  736  100・9

12年女  774  109・2

13年女  767  109・9

14年女  729  109・0

15年女  769  120・3

16年女  957  139・4

17年女  778  119・6

 

 国立がん研究センターでは、SIRが110を超えると「がん発症率が高い県」と捉えている。福島県における胃がんのSIRは11年以降、男女とも全国平均を上回る高い値で推移しており、特に16年の女性では139・4というひときわ高い値を記録している。

 

 続いて、このSIRの「95%信頼区間」を求めてみた。疫学における検証作業のひとつであり、それぞれのSIRの上限(正確には「推定値の上限」)と下限(同「推定値の下限」)を計算し、下限が100を超えていれば、単に増加しているだけではなく、確率的に偶然とは考えにくい「統計的に有意な多発」であることを意味する。

 

 その結果、福島県においては12年以降、6年連続で男女ともに胃がんが「有意な多発」状態にあり、それが収まる兆しは残念ながら一向に見られないことが判明した。

 

 胃がん以外にも、甲状腺がん、前立腺がん、胆のう・胆管がんなどについての詳細な記事は9月11日発売の『週刊金曜日』9月11日号に掲載される。

(明石昇二郎・ルポライター)

 

血液中の微粒子からがんの有無・種類診断(2020/09/07 日経)

 東京工業大学 星野歩子准教授らと米コーネル大学は血液中の微粒子からがんの有無や種類を診断する手法を開発した。乳がんやすい臓がんなど16種類のがんについて、90%以上の精度で見分けることができる。将来の早期診断に役立つ成果だという。

 

 血液中にある直径50~150ナノ(ナノは10億分の1)メートルの微粒子「エクソソーム」に注目した。細胞から出たごみを処理する役割で、血液1ミリリットルあたり数百億~数兆個ある。

 研究チームは16種類の様々な進行度のがん患者と健常者のエクソソームの中にあるたんぱく質を機械学習させて、判別に有効なたんぱく質を絞り込んだ。90%以上の精度でがんの有無を見分けられ、がんの種類の特定もできた。

 

 すい臓がんのように、見つけにくいがんの早期発見に役立つ。全身の様々な場所に転移するが、どの種類のがんがもとなのか分からない「原発不明がん」の特定にも役立つという。

 

がん解明 もがき続ける 基礎研究に携わり40年 秋田(2020/09/07 朝日)

 宮城県立がんセンター研究所長の島礼(ひろし)さん(64)は、がんの仕組みを解明し、治療につなげようと、基礎研究に没頭して40年近くになる。

院生3年目、国立がん研究センターの研究職の募集を目にし、28歳で東京に飛んだ。半年間の短期契約だったが、見込まれて結局11年間過ごした。

 

 新薬につながった成果もあった。PARPという酵素がDNAの修復に重要な役割を果たすことを突き止めたのもその一つだ。この発見を土台に、後にPARPの働きを止める薬が開発された。DNA修復に異常が起こったために発生したがん細胞は、さらにPARPの働きを止めると、DNA修復が完全にストップしてしまい、がん細胞自身が死に至るのだ。その薬「オラパリブ」は、2018年から国内でも一部の乳がん患者らが保険で使えるようになっている。

 

がん治療「耐える力」評価へ~高齢患者の健康状態、事前に考慮 運動能力・認知機能を点数化(2020/09/07 日経)

 がん患者の7割強を占める高齢者の健康状態や認知機能などを事前に詳しく調べ、一人ひとりの「耐える力」を把握して治療をする動きが活発になってきた。高齢者は同じ年齢でも健康状態などの個人差が大きく、抗がん剤の効き方や副作用など体への影響や負担の違いが生じやすい。超高齢化社会のがん治療として普及する兆しが出てきた。

 

 福岡県に住む90歳代の男性は舌がんを患い、九州がんセンター(福岡市)を受診した。高齢のため、主治医は一度は切除手術をためらったが、健康状態などを調べると運動能力や持病の重さ、精神状態や家族の支援には問題がなかった。手術をして術後の経過は良好、抗がん剤で治療中だ。

 

光免疫療法の新薬の製造販売を承認へ 厚労省、世界初(2020/09/05 朝日)

 厚生労働省の部会は4日、従来の治療が効かなくなった頭頸部(けいぶ)がん患者の新たな治療法となる「光免疫療法」で使う新薬「アキャルックス点滴静注」の製造販売の承認を了承した。最終段階の臨床試験(治験)の結果を待たずに承認する特例制度を適用した。光免疫療法で使う製品が承認されるのは世界で初めて。近く正式に承認され、今秋中にも公的医療保険が適用される見通しだ。

 

 楽天メディカルジャパンが今年3月に厚労省に承認申請した。頭頸部に発生した扁平(へんぺい)上皮がんが再発するなどし、手術や放射線治療などの従来の治療が効かなくなった患者が対象だ。扁平上皮がんは、体を構成する組織のうち臓器の内側の粘膜組織から発生するがん。口の中、舌、のどなどに発生する。頭頸部がん患者(年約2万8千人)の約9割を占めるとされる。

 

がんに強い「ハイパーサーミア療法」は効果的で懐にも優しい(2020/09/04 Yahoo)

 残念なことだが、「患者にとって安くて有効な治療法」なのに、手間暇がかかる割に公的保険の点数が低く、病院が儲からないという理由で廃れてしまうがん治療法がある。

 

 それが「温熱療法(ハイパーサーミア)」だ。がん細胞は熱に弱く、42・5度以上で死滅することが多いという特性に着目して、「がん細胞の温度だけを上昇させてがんを死滅させたり、弱らせたりする」治療法である。「日本ハイパーサーミア学会第37回大会」(9月12日~10月12日、WEB開催)副大会長で放射線治療専門医の黒﨑弘正医師が言う。

 

「ラジオ波や温水を使った温熱療法は、殺細胞効果はもちろん、抗がん剤や放射線の効果をアップさせる併用療法として十分な効果があります。ただし、温熱療法をよく知らずにこの治療法を無視したり、批判したりするがん治療専門医もいるのは残念です」

 

 そもそも温熱療法は京都大学医学部の菅原努教授が研究を開始し、その後、東京大学、国立がん研究センターなどの治験で、がんの病勢の抑制や患者生存期間の延長効果などが立証された治療法だ。

 

MET阻害薬タブレクタ、切除不能な進行/再発非小細胞肺がんの治療薬として発売~ノバルティスファーマ(2020/09/04 オンコロ)

 

8月26日、ノバルティスファーマ株式会社は、タブレクタ(一般名:カプマチニブ塩酸塩水和物、以下タブレクタ)錠150mgと同錠200mgをMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬として発売したと発表した。

 

NSCLC患者の約3~4%はMETエクソン14スキッピング(METex14)変異であり、日本においては約3,000名程度とされている。肺がんの治療は進歩しているものの、NSCLC患者の予後は未だ不良であり、治療の選択肢も限定的だ。METex14変異陽性はその中でも予後不良な集団であり、治療法の開発が望まれていた。

 

タブレクタはMETに対する経口阻害剤であり、ドライバー因子であるMETex14変異に対しても阻害活性を有する。MET遺伝子異常によって腫瘍細胞の増殖、生存、浸潤、転移、腫瘍血管新生を促進すると考えられている。同剤はFoundationOne CDxがんゲノムプロファイルによって適応の判断がなされる。コンパニオン診断機能については、2020年6月に既に追加承認を取得している。

 

「割り勘型」保険で初の支払い がん診断、後払い制で分かりやすく(2020/08/10 Snakei Biz)

 保険料を契約者全員で賄う割り勘型の保険により、がんと診断された人に国内で初めて保険金が支払われたことが分かった。事前に保険料を支払う一般的な保険と異なり保険料を後払いするのが特徴。

 

 1月に販売を開始した保険ベンチャー企業のジャストインケース(東京)の「わりかん保険」は、がんと診断された場合に一律80万円を支払う。支払いのあった保険金の合計額に会社側の収益となる管理費を加えた金額を、診断を受けた本人と同じ年齢ゾーンの残りの契約者が均等割で月ごとに後払いする仕組み。患者が出ない月は保険料の支払いも発生しない。

 

 がん患者が想定以上に多く、支払いが膨らんだ場合に備えて年齢別に保険料に上限を設けており、20~39歳は500円、40~54歳は990円、55~74歳は3190円。

 

 今回、保険金を受け取ったのは40~54歳のゾーンに入る女性1人で、契約者約860人で割り勘した。80万円の保険金を人数割りすると約1400円だが、このゾーンにある契約者の上限の990円で済んだ。

 

新型コロナ ワクチン開発、急ぐべきでない 免疫学の第一人者が警鐘(2020/08/08 東京新聞)

 新型コロナウイルス収束の鍵と期待されるワクチン。政府は海外の大手製薬会社から早期に大量調達しようと動いている。日本免疫学会長などを務めた大阪大免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招聘教授は、コロナはワクチンが作りにくい厄介なウイルスだと指摘し「国内で慎重に臨床試験をしないと効果は確かめられず、期間を短縮すると重大な副作用を見逃す恐れもある」と警鐘を鳴らす。(森耕一)

 

 ワクチン開発で世界のトップを走る製薬会社は、バイオテクノロジーを駆使する「遺伝子ワクチン」という技術を活用。「接種したら抗体ができた」と効果を発表している。宮坂さんは「遺伝子ワクチン技術は有効である可能性が高い」と認める一方、「できた抗体の量が十分かどうかも分からない。コロナの場合、抗体ができても役に立たない場合がある」と指摘する。

 

◆「悪玉抗体」が作られる恐れ

 それどころか、感染時にかえって病気を悪化させる「悪玉抗体」が作られる恐れがあるという。悪玉抗体がウイルスと結びつくと、全身の免疫細胞の1種が感染してしまう。抗体依存性免疫増強(ADE)と呼ばれる症状だ。新型コロナに近いSARSの動物実験で確認されており、宮坂さんは「コロナウイルスが手ごわい理由」と話す。

 

歯周病で食道がん、胃がんのリスクが上昇(2020/08/08 ヨミドクター)

 歯周病歴を有する人では食道腺がん、胃腺がんのリスクが上昇することが示された。米・Harvard T.H.Chan School of Public HealthのChun-Han Lo氏らはNurses’Health Studyの参加者約10万例とHealth Professionals Follow-up Studyの参加者約5万例を20年以上追跡し、歯周病とがんの関係を検討した結果をGut( 2020年7月20日オンライン版 )に発表した。

 

 22~28年の追跡期間中に食道腺がんが199例、胃腺がんが238例発生した。Cox比例ハザードモデルを用いて年齢、コホート、追跡期間、人種、糖尿病歴の有無、BMIなどの交絡因子を調整した結果、

 

歯周病歴は食道腺がんリスクの43%上昇〔調整ハザード比(aHR)1.43、95%CI 1.05~1.96、P=0.02〕、胃腺がんリスクの52%上昇(同1.52、1.13~2.04、P=0.006)と関連していた。

 

 歯の欠損がない人と比べて、歯を2本以上欠損している人では食道腺がんリスクが42%(aHR 1.42、95%CI 1.00~2.03、傾向のP=0.05)、胃腺がんリスクが33%(同1.33、0.95~1.86、傾向のP=0.09)上昇した。

 

 歯周病歴と歯の欠損がともにない人に対する食道腺がんリスクの上昇は、歯周病歴を有する人のうち歯の欠損がない人(aHR 1.59、 95%CI 1.04~2.41)と歯の欠損が1本以上の人(同1.59、1.04~2.44)とも59%で同等だった (図) 。また、歯周病歴と歯の欠損がともにない人に対する胃腺がんリスクの上昇は、それぞれ50%(同1.50、1.01~2.23)と68%(同1.68、1.13~2.50)であった。

 

「尿でがん早期発見」の定着へ、独自デバイスの強み生かす(2020/08/04 Beyond Health)

1滴の尿から高精度でがんを早期発見する――。そんな技術の開発を進めているのが、Craif(クライフ)だ。このほどシリーズA(プロダクトリリースを見越した成長期)の資金調達を実施、同時に社名を従来のIcaria(イカリア)から変更したばかり。同社を訪問し、CEOの小野瀨隆一氏に話を聞いた。

 

 我々が開発を進めているがん早期発見の技術は、尿中に含まれるマイクロRNAを独自デバイスで回収してAIで分析するメカニズム。マイクロRNAは細胞内に含まれる微小な生体物質で、がん細胞と正常細胞では分泌量や種類が異なる。初期のがん細胞から分泌されるため、早期発見に欠かせないバイオマーカーとして注目されている。

 

 独自デバイスは、酸化亜鉛ナノワイヤとマイクロ流路を組み合わせたもの。尿中に含まれるごく微量のマイクロRNAを高効率に分離・回収できる。マイクロRNAによるがん検出には血液を使うケースが多いが、尿を検体としている我々の方式は特徴的だ。

 

 なぜ尿を選んだのかと言えば、血液より多くのマイクロRNAの種類を採取でき、何より非侵襲性で患者の負担が少ないから。従来の方法では2000種類以上あるマイクロRNAのうち200〜300種類が限界だったが、我々の技術では1300種類以上発見できる。

 

 これにより、初めてマイクロRNAの網羅的なプロファイルを解析できるようになった。マイクロRNAが複数でがんに作用しているとの論文も多く、豊富な情報があればあるほど発見の精度が向上すると期待されている。

 

メディネットは国立がん研究センターと新型コロナワクチン開発に向け共同研究(2020/08/03 みんなの株式)

 メディネット<2370.T>がこの日の取引終了後、国立がん研究センターと、新型コロナウイルス感染症の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発に向けた共同研究契約を締結したと発表した。

 

 今回、開発する自家樹状細胞ワクチンは、樹状細胞に新型コロナウイルス抗原をパルスし、細胞性免疫により細胞傷害性リンパ球(CTL)を誘導し、体内でウイルスに感染した細胞そのものを殺傷、除去することを期待するもの。更に、一部のCTLはメモリーT細胞となって、ウイルスに対する細胞傷害活性を持ったまま宿主内に記憶されるため、長期的な予防効果が見込めるという。同社では21年中ごろまでに第1相治験を国立がん研究センター東病院、都内大学病院と連携して開始し、再生医療等製品の上市に向け開発を進めるとしている。なお、同件による20年9月期業績への影響は軽微としている。

 

エーザイの4~6月期、純利益13%増 抗がん剤がけん引(2020/08/03 日経)

エーザイが3日発表した2020年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比13%増の244億円だった。主力の抗がん剤「レンビマ」の売り上げが大幅に伸び、収益をけん引した。

 

売上高にあたる売上収益は8%増の1655億円だった。薬価改定や新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったものの、「レンビマ」が引き続き好調で前年同期比4割増えたほか、抗てんかん剤「フィコンパ」なども増収となった。抗がん剤「タゼメトスタット」の日本以外の地域における売上ロイヤルティー受領権の譲渡に係るマイルストン収入も貢献した。営業利益は24%増の321億円だった。

 

21年3月期通期の業績については従来予想を据え置いた。売上収益は前期比3%増の7190億円、新薬の発売に向けた販管費や研究開発費が膨らむため、純利益は45%減の670億円を見込む。

 

切らないがん治療「陽子線治療」 患者は「バカンスのよう」(2020/08/03 Nifty)

「切らない、痛くない、こんな治療法があるなんて信じられない気持ちでした。術後の生活は手術をした場合とは比べものになりません。陽子線治療が受けられて本当によかったと心から思います」

 

 こう話すのは、4年前に乳がんと診断された長野県在住の原田真弓さん(仮名・60才・会社員)。2度目の乳がんだった。

 

「1度目は右胸。幸い早期発見で、部分切除手術と放射線治療でがんは消え、ようやく迎えた10年目の定期検診で、今度は左胸に見つかったんです」

 

乳がんの陽子線治療の臨床試験が始まったという新聞記事を見て、すぐに連絡を取り、2016年春、鹿児島県指宿市にある『メディポリス国際陽子線治療センター』で陽子線治療を受けることとなった。

 

 原田さんが受けた「陽子線治療」とは放射線治療の1つ。2012年に作詞家のなかにし礼(81才)が、この治療で食道がんを克服したことでも話題になった。先進医療としても注目され、治療を受けた患者から「夢の治療」と呼ばれることもある。

 

『メディポリス国際陽子線治療センター』のセンター長・荻野尚医師が解説する。

 

「陽子線治療は切らない治療で、痛みがなく、副作用も非常に少ない。さらに再発がほとんどないといわれています。

 

 従来の放射線治療はX線を使います。X線は体の中を通り抜ける性質があり、がん細胞を攻撃すると同時に、正常な組織にもダメージを与えるため、副作用や新たながんを誘発するリスクがあります。

 

 一方、陽子線は水素の原子核を光の速さほどにまで加速させて照射する治療法。病巣をピンポイントで攻撃でき、がん周辺の正常な組織への影響が最小限に抑えられます」

 

癌由来の細胞外小胞のパルミトイル化タンパク質によるリキッドバイオプシーの可能性が示唆された(2020/08/03 BioQuick News)

腫瘍細胞によって血流に放出され、癌の転移を促進する、細胞外小胞(EV:extracellular vesicles)と呼ばれる粒子内のタンパク質に光を当てた新しい研究が報告された。 この調査結果は、これらの 細胞外小胞を含む血液検査が、将来の癌の診断にどのように使用され、侵襲的な外科的生検の必要性を回避できるかを示唆している。

ロサンゼルスのシーダーズ・サイナイ病院で外科と生物医学および病理学と臨床検査医学の教授である Dolores Di Vizio博士(写真)によると、この研究は細胞外小胞内のパルミトイル化タンパク質として知られている物質の大規模分析であるという。

 

Di Vizio博士は、2020年6月10日にJournal of Extracellular Vesiclesのオンラインで発表した共同研究者だ。このオープンアクセスの論文は、「包括的なパルミトイル-プロテオミクス分析により、癌由来の大小の細胞外小胞の異なるタンパク質シグネチャが特定される。(Comprehensive Palmitoyl-Proteomic Analysis Identifies Distinct Protein Signatures for Large and Small Cancer-Derived Extracellular Vesicles.)」と題されている。

 

細胞外小胞は、タンパク質やその他の生物学的に重要な分子を含む可能性があるため、この10年間で大きな注目を集めている。 細胞外小胞は体内の離れた部位に癌が転移するのを助けることが知られているが、これがどのように起こるかは正確には明らかではない。 このプロセスを詳細に知るために、Di Vizio 博士と研究チームは、酵素が脂質分子をタンパク質に転移させるパルミトイル化と呼ばれるプロセスを調査した。

 

韓国のキムチ輸出 上半期に44%増=コロナ禍で免疫効果に注目(2020/08/02 Yahoo)

【ソウル聯合ニュース】韓国農林畜産食品部は2日、今年上半期(1~6月)のキムチ輸出額は7470万ドル(約80億円)で、前年同期比44.3%増加したと発表した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、免疫力強化に効果があるとされるキムチの人気が高まっているようだ。

 

 国・地域別の輸出額は日本向けが3950万ドルで最大だった。次いで米国(1130万ドル)、香港(360万ドル)、オーストラリア(360万ドル)、台湾(300万ドル)の順。

 

麹ドリンクで数値が40から3へ 前立腺がんから奇跡の生還(2020/08/02 日刊ゲンダイ)

 焼酎用の種麹(たねこうじ)を焼酎メーカーに卸すことを生業(なりわい)にしてきた河内源一郎商店・3代目の山元正博。焼酎杜氏(とうじ)が浴びるほど酒を飲んでもがんになりにくい事実に着目し、自家製の麹ドリンクを開発した。末期がんの叔父は亡くなるまでの1年間、この麹ドリンクだけで命をつないだという。

 

 それからしばらく経った2005年、山元の前に再びがん患者が現れる。当時、経営していたチェコ風の地ビールレストラン「バレルバレー・プラハ」(通称チェコ村)の常連客、K社長(当時55歳)だ。

 

「前立腺がんになっちゃってさ。ビールを少し飲んだだけで股間に激痛が走るんだよ」

 

 前立腺がんのマーカーであるPSA値は30。グレーゾーンといわれる4~10の3倍もの値だ。前立腺がん治療で一般的なのはホルモン療法だが、勃起不全の副作用があり、「男としてそれだけは耐えられない」と、手術も含め一切拒否していた。

 

 そこで山元は、麹ドリンクをすすめた。一口飲んだ時のことをK社長は今も覚えている。

 

「直感で『これで助かる!』と思いましたね。うまく言えないんだけど、体の中がきれいになるイメージが湧き起こったんです」

 

 自家用で商品化していなかったが、「ぜひ譲って欲しいと無理に頼み込んだ」そうだ。それを拒む山元ではない。ありったけの麹ドリンクを分けてやった。

 

 数週間後、K社長は再び山元を訪ねた。あれから毎日、朝昼晩麹ドリンクを飲み続けたら、ある朝小便に1ミリにも満たない白い皮のような物が混ざっていたという。それを医師に見せたら「これはがんの病巣の一部です」と言われた。それでK社長の腹が据わった。

 

シーメンス系、放射線治療機器の米大手買収 1.7兆円で(2020/08/02 日経)

【フランクフルト=深尾幸生】独シーメンスの上場子会社で医療機器大手の独シーメンス・ヘルシニアーズは2日、放射線治療機器大手の米バリアン・メディカル・システムズを164億ドル(約1兆7300億円)で買収すると発表した。2021年前半の完了を目指す。市場拡大が有望ながん治療分野を強化する。

 

ニューヨーク証券取引所に上場するバリアンは、がん治療向けの放射線照射装置や関連システムの大手。バリアンによるとインドと中国での市場シェアはそれぞれ75%、55%という。19年9月期通期の売上高は32億ドルで、約1万人の従業員を抱える。1株あたりの買収価格は177ドル50セントで7月31日の終値より24%高い。

 

両社の技術や顧客基盤を持ち寄ることで、25年に3億ユーロ(約370億円)の利益押し上げ効果を見込む。国際がん研究機関によると、がん患者の数は30年に10年の2倍に達し、全体の過半数の患者が放射線治療を受ける。バリアンは治療機器の市場が年率6~10%で成長するとみている。

 

膵がんの新たな放射線治療 費用は?可能な病院は?(2020/08/01 AERA)

 膵がんでは、手術単独よりも、手術前後に抗がん剤や放射線などの補助療法をおこなったほうが、長期生存が望める。がんが主要な血管や周囲のリンパ節に食い込みやすい(浸潤、転移しやすい)特徴があるため、がんが小さく、手術で切除できても、目に見えないがん細胞が残っている可能性があるからだ。

 

 それゆえ、新しいガイドラインでは、基本的に手術ができるがんに関して、「手術+補助療法」がスタンダードになっている。

 

 膵がんの放射線療法で今、注目を集めているのは、新たな放射線療法。MRIと放射線装置が一体となった「MRIdian(メリディアン)」による治療だ。国立がん研究センター中央病院が、膵がんにMRIdianを使い始めたのは17年。これまでに40人ほどに施行している。

 

「MRIdianは照射中にがんだけでなく、周辺の臓器の位置も確認できる。最適な照射範囲をその場で確認しながら治療を進めることができます。この結果、線量を通常の5倍にあたる1回10グレイまで増やすことに成功しました。やはり1回にかける線量が多いほど、がんをたたく効果は高くなります」(伊丹医師)

 

 現在、MRIdianの治療を受けられるのは、同院と江戸川病院の2カ所。自由診療なので国立がん研究センター中央病院では、210万円ほど費用がかかる。相談は同院のセカンドオピニオン外来で受け付けている。

 

新薬申請で期待高まる、がん光免疫治療の実用化(2020/07/31 Yahoo)

 近赤外光を使った新しいがん治療法として注目されてきた、がん光免疫療法に使う医薬品と医療機器の実用化を担っている楽天関連会社の楽天メディカル社(本社米カリフォルニア州サンマテオ、三木谷浩史会長)が、厚生労働省に対して3月に医薬品と医療機器の製造販売の承認申請をした。この元となる治療法の研究を長年続けてきた、米国立衛生研究所(NIH)の一部門である国立がん研究所の小林久隆主任研究員にがん光免疫療法の可能性について聞いた。

 

Q これからの実用化に向けては、三木谷会長の率いる楽天メディカル社に期待することになるが。

 

小林 大きな製薬会社に開発を任せると、既存の販売している商品とシェアがかち合うことがあるが、ベンチャー企業由来の新会社である楽天メディカル社には「これにすべてをかける」と言ってもらっているので、全面的に信頼している。新しい会社なので、しがらみがなく、最高のスピードで開発が進むだろうと期待している。

 

 今回の承認申請をした医薬品が第一歩で、再発した頭頚(とうけい)部がんが治療の対象だが、同じ標的(分子)に抗体がくっつくがん細胞を狙った動物実験では、頭頚部がん以外にも子宮がん、乳がん、肺がんなどでも効果が認められているので、適用できるがんの範囲を拡大することがこれからの研究課題になる。

 

 動物実験の次の段階の臨床治験については、胃がん・食道がん等で楽天メディカル社が日本や海外の病院と連携して行われている。

 

Q 実用化される時期については。

 

小林 承認申請されたものが厚労省でどのように判断されるかにかかっている。臨床患者の国際共同第三相臨床治験が進行中であるが、今回は「条件付き早期承認制度」が適用されると聞いており、早ければ年内に承認される可能性もあると思っている。

 

小野薬品、4~6月純利益32%増 オプジーボ好調(2020/07/31 日経)

小野薬品工業が31日発表した2020年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比32%増の214億円だった。主力のがん免疫薬「オプジーボ」の売り上げが好調だった。新型コロナウイルスの影響で研究開発費や販管費も減少して利益を押し上げた。21年3月期の通期業績予想は据え置いた。

 

売上高にあたる売上収益は1%増の749億円、営業利益は35%増の270億円だった。オプジーボは胃がんや食道がんなど消化器系での使用が拡大し、売り上げは前年同期比10%増の244億円だった。コロナの影響で臨床試験の被験者登録を中断したことなどで研究開発費は23%、販管費は14%減少した。

 

一般的な降圧薬で大腸がん発症のリスクが低下する可能性、香港大学医学部附属クイーンメリー病院(2020/07/30 @DIME)

高血圧患者の間で広く使用されている2種類の降圧薬に、血圧を下げる作用だけでなく、大腸がんの発症リスクを低下させる作用もある可能性が、香港大学医学部附属クイーンメリー病院のWai Leung氏らによる研究で示唆された。

 

降圧薬のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を使用している人では、これらの薬剤を使用していない人と比べて大腸がんを発症するリスクが低いことが示されたという。詳細は「Hypertension」7月6日オンライン版に発表された。

 

この研究は、40歳以上の成人患者18万7,897人の2005~2013年の医療記録データを解析したもの。対象となった患者は全て香港在住で、ベースライン時の大腸内視鏡検査の結果は陰性だった。

 

また、大腸がんの既往歴がある人は対象から除外された。対象者のうち、ACE阻害薬またはARB使用者は全体の16.4%(3万856人)であり、0.45%(854人)が大腸内視鏡検査後6〜36カ月以内に大腸がんを発症した。

 

解析の結果、大腸内視鏡検査で陰性だった人が検査から3年後までに大腸がんを発症するリスクは、ACE阻害薬またはARBを使用していない人と比べて、いずれかの薬剤を使用している人で22%低かった(調整ハザード比0.78、95%信頼区間0.64~0.96)。

 

また、ACE阻害薬やARBの使用期間が長くなるほど、大腸がんリスクは低下することも示された(いずれかの薬剤の使用が1年増えるごとに、大腸がんの発症リスクは5%低下)。

 

さらに、ACE阻害薬またはARBの使用に関連した大腸がん発症リスクの低下度が特に高かったのは、55歳以上の患者と大腸ポリープの既往歴がある患者であった。ただし、以上のような両薬剤の使用に関連したベネフィットは、検査後3年間のみで認められた。

 

小野薬品、「オプジーボ」に続く2匹目のドジョウ(2020/07/29 JB Press)

【1万2000の既存薬から13種類のホープを発見】

 連休中の7月24日に、国際的に突如として注目されたのが小野薬品工業だった。週明けの27日、日経平均株価が下落する中で、午前に小野薬品株価の株価が3.4%上昇したのも、それが関係したと見られる。

 

 注目された理由は、小野薬品工業が2012年までに骨粗鬆症の治療薬として開発していた「ONO5334」と名付けられた薬に、新型コロナウイルスを抑制する効果が認められたからだった。

 

 米国のサンフォードバーナムプレビス医学研究所をはじめとした研究グループが、これまでに臨床研究が実施された1万2000に及ぶ既存薬を使って、新型コロナウイルスの抑制効果をのべつ幕なしに調べたところ、100の既存薬にウイルスの増殖を止めるような効果を確認できた。

 

 

 さらに研究グループが薬の効果を詳しく調べていったところ、細胞を使った試験でウイルスを抑制する効果が特に認められたものは13種類あった。小野薬品のONO5334は、その13種類の薬剤の1つである。

 

「子どもたちを未来のがんから守るためにママたちができること」医師でジャーナリストの村中璃子氏に聞く(2020/07/29 たまひよOnline)

7月21日、9価の子宮頸がんワクチンが正式に日本で承認されました。世界標準のこのワクチンを使うと、日本で起きているほぼすべての子宮頸がんを防ぐことが期待できます。前回に引き続き、『10万個の子宮 あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』の著者であり、子宮頸がんワクチンに関する科学にもとづく執筆活動が評価され、科学誌『ネイチャー』等主催のジョン・マドックス賞を受賞した医師・ジャーナリストの村中璃子先生に、子宮頸がんワクチンの現状を、ママたちの口コミサイトなどに書き込まれている疑問答えるかたちで教えてもらいます。

 

世界の20か国以上で男の子も接種

Q海外では男の子も接種していると聞きました。男の子が打つ意味はあるのでしょうか? 

 

A「男性のがんの予防」と「女性に感染させない」ことの2つの意味があります。

 

「すでに世界の20か国以上で、男子にも子宮頸がんワクチンを定期接種していますが、これには2つの理由があります。

 

1つは、男性のがんを防ぐためです。9価ワクチンで予防できる9つの型のHPVのうち2つの型は、のどのがん(中咽頭がん)や肛門・陰茎のがんなど、男性に多いがんの原因となるもので、子宮頸がんワクチン、正式には“HPVワクチン”と呼ばれるこのワクチンを男子に接種をすることで男性もそれらのがんを予防できます。

 

理由のもう1つは、女性のパートナーの大半が男性であるなか、HPVに感染した男性を減らすことによって女性への感染を防ぐためです。

 

つまり、医学的には男女ともに接種することが望ましいのです。

 

しかし、多くの国ではコストの面から、それが実現されていませんでした。たとえば、イギリスでは、肛門がんなどのリスクの高い同性愛の男性に限って接種するなど、男子定期接種は見送り、女子の接種率を上げることで子宮頸がんを減らそうとする戦略をとってきましたが、2018年、女子だけがワクチンを接種できるのは『男子に対する性差別』であるとの意見が相次ぎ、男子にも定期接種となりました。

 

かねてより男女ともに定期接種のオーストラリアでは、20%を超えていた若い男女のがん化しやすいHPVの感染率が、1%以下にまで低下し、「子宮頸がんの撲滅」まで宣言されています、経済的余裕のある先進国ではこれから男子にも定期接種がますますスタンダードとなっていくことでしょう」(村中先生)

 

子宮頸がんワクチンは、日本を含む世界中で安全性の確認されているワクチンです。各国の保健当局もWHOも「子宮頸がんワクチンは安全で効果の高いワクチンである」と評価し、接種を推奨しています。

 

ただし、その効果は、性交経験を持つと激減します。だから、定期接種年齢である10代前半のうちに接種させることがとても大切なんです。

 

9価ワクチンを定期接種として無料で接種できるようになるまでにはまだ少し時間がかかるようですが、ワクチンのリスクとベネフィットを正しく理解し、子どもたちを予防できる未来のがんから守ってあげたいものです」(村中先生)

 

第一三共、抗がん剤で英アストラゼネカと提携拡大(2020/07/27 日経)

第一三共は27日、開発中の新型抗がん剤について、英製薬大手のアストラゼネカと開発・販売提携したと発表した。臨床試験(治験)や販促を共同で手がける。第一三共は対価として最大で60億ドル(6300億円)を受け取る。競合品との競争をにらみ、アストラゼネカの協力で開発スピードを上げる狙いだ。

 

 

対象となるのは、肺がんや乳がん向けに開発している抗がん剤「DS-1062」。がん細胞を狙う抗体と攻撃する薬物を組み合わせた「抗体薬物複合体(ADC)」で、日米で第1段階の治験中だ。薬物をがん細胞に直接運べることから投薬の効果が高く、患者の負担軽減が期待される。

 

提携によって、第一三共はアストラゼネカから契約一時金として10億ドルを受け取るほか、開発や販売の状況によって追加で計最大50億ドルを得る。日本以外におけるDS-1062の利益と開発・販売費用などは両社で折半し、売り上げは第一三共が日米欧など、アストラゼネカが中国やオーストラリア、カナダなどで計上する。

 

第一三共は日米で発売済みの乳がん向けのADC「エンハーツ」でも2019年3月にアストラゼネカと提携。同社から最大69億ドルを受け取る契約を結んでいる。

 

「夢のがん免疫治療薬」でコロナ重症化も 医学誌『ネイチャー・メディシン』に掲載(2020/07/25 nifty)

「夢の新薬」の“落とし穴”が明らかになった。オプジーボやキイトルーダなど「免疫チェックポイント阻害薬」で治療中のがん患者が新型コロナに感染した場合、重症化するリスクが高まる──そんな論文が医学誌『ネイチャー・メディシン』に掲載されたのだ。

 

 人間の体内に異物が侵入すると、免疫機能が働いてその異物を排除しようとする。対するがん細胞は免疫機能にブレーキをかけて、体内にがんを増殖させようとする。

 

「こうしたがん細胞の働きを阻止するのが免疫チェックポイント阻害薬です。ブレーキを解除された免疫機能が本来の力を取り戻し、がん細胞を攻撃する力が増すのです」(北品川藤クリニック院長の石原藤樹医師)

 

「新型コロナが重症化する際は、免疫機能が暴走し、感染した細胞だけでなく正常な細胞も傷つける“サイトカインストーム”が起こるとされます。免疫チェックポイント阻害薬を利用すると、この“サイトカインストーム”を後押しするメカニズムが働き、正常な細胞を傷つけることが重症化につながると考えられます。治療中のがん患者は特に注意が必要です」

 

iPSでがん治療 免疫細胞を量産、病巣を攻撃(2020/07/23 日経)

千葉大病院と理化学研究所は、iPS細胞から免疫細胞を作ってがん患者に投与する臨床試験(治験)を医師主導で8月にも始める。鼻や口、耳などにできる頭けい部がんの患者4~18人が対象で、安全性や効果を調べる。iPS細胞を使ったがん治療は国内では初めて。2020年代の普及を目指す。

 

iPS細胞から作るのは「NK(ナチュラルキラー)T細胞」と呼ばれる免疫細胞の一種だ。血液に含まれ、様々ながんを攻撃する働きがある。治療では、健康な人のNKT細胞からiPS細胞を作った後、再びNKT細胞を大量に作製して患者に投与する。

 

千葉大は患者自身のNKT細胞を体外で増やしてから患者に戻す治療を試み、一部のがん患者では顕著な効果があった。ただNKT細胞は血液中にわずかしか含まれず、NKT細胞がうまく増えない患者がいたほか、十分な効果が得られないケースもあった。

 

iPS細胞を使えば大量に安定してNKT細胞が供給できる。頭けい部がんで成功すれば、肺がんなど患者が多いほかのがんでも治療を検討する。千葉大教授の本橋新一郎さんは「NKT細胞はがんをたたく能力は高いが、副作用も強い可能性があり、安全性に注意して進める」と語る。

 

iPS細胞を使ったがん治療は米国が先行している。米ベンチャーのフェイト・セラピューティクス(カリフォルニア州)は19年から、iPS細胞から免疫細胞を作り患者に移植する治験に取り組む。すでに遺伝子を改変したNK細胞など5種類の免疫細胞を使って、血液のがんなど7件の治験を進める。細胞の遺伝子を改変して、がん細胞だけを攻撃するよう細工したり攻撃力を高めたりして、治療効果の検証を進める。

 

国内でも、患者で治療を試みる計画が千葉大以外にも進んでいる。京都大学iPS細胞研究所ではキリンホールディングスなどと協力して、遺伝子を改変したiPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作製する共同研究を進める。京大は武田薬品工業ともプロジェクトを進めており、21年までに臨床応用の開始を目指す。

 

ナノキャリアが急騰、核酸医薬品ベンチャーを吸収合併(2020/07/16 朝日)

 がん領域に特化した創薬ベンチャーで東証マザーズ上場のナノキャリア(4571)が急騰した。午前10時21分現在、前営業日比31円(7.13%)高の466円で推移している。一時は505円まで上伸した。

 15日に核酸医薬品などの創薬ベンチャーのアキュルナ(東京都文京区)を吸収合併すると発表し、買い材料視された。医薬品事業の経営基盤構築や関連事業・周辺事業の拡大を加速させるための吸収合併。

 

 核酸医薬品はがんや遺伝性疾患に対する治療薬として期待されているが、血中安定性が課題だった。アキュルナのDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)技術は生体内での搬送上の課題を解決する。同社は当社保有の特許のライセンスを受けて核酸医薬品の事業化を進めており、当社との親和性が高い。当社はパイプラインの追加・拡充、ワクチン開発の推進や優秀な人材の獲得が期待できるとしている。

 

レンビマとキイトルーダ併用療法が切除不能肝細胞がんの一次療法としてFDAより審査完了通知を受領(2020/07/16 オンコロ)

7月8日、エーザイ株式会社と米国のメルク社(北米以外ではMSD)は、切除不能の肝細胞がんのファーストラインとしてFDAに迅速承認申請を行っていたレンビマ(一般名レンバチニブメシル酸塩)とキイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)併用療法について、審査完了通知を受領したことを発表した。

 

レンビマは腫瘍血管新生や腫瘍悪性化に関する受容体型チロシンキナーゼ阻害剤である。一方、キイトルーダはPD-1とそのリガンドであるPD-L1、PD-L2の作用を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体(抗PD-1抗体)である。非臨床研究モデルにおいて、レンビマが抗腫瘍免疫活性を示した。また、抗PD-1抗体と併用することで、がん微小環境において相乗効果による抗腫瘍活性が上回ることが示唆された。

 

エーザイとメルク社はレンビマとキイトルーダの併用療法の臨床上の有効性とベネフィットに関するエビデンスを示すため、臨床試験の推進を含め、FDAと今後の対応について協議する方針。また、すでに進行性肝細胞がんへのファーストラインでのレンビマとキイトルーダ併用療法を評価する第3相試験LEAP-002試験を進めている。他にもレンビマとキイトルーダの併用療法は13種類のがんにおいて18の臨床試験を進めている。

 

肝がんへのニボルマブ、長期OSも延長せず(2020/07/16 Medical-Tribune)

 進行肝細胞がんの一次治療において、抗PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ、PD-1阻害薬)とソラフェニブ(ネクサバール、分子標的治療薬)の有効性および安全性を比較した第Ⅲ相臨床試験CheckMate-459。昨年(2019年)の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019)では、主要評価項目である全生存期間(OS)の結果が報告され、両群に有意差は認められなかったもののニボルマブ群で良好な傾向が示された。

 

 解析の結果、長期追跡によるOS中央値は、ソラフェニブ群の14.8カ月(95%CI 12.1~17.3カ月)に対し、ニボルマブ群では16.4カ月(同14.0~18.5カ月)と延長傾向が見られたものの、有意差は認められなかった(HR 0.85、95%CI 0.72~1.00、P=0.0522、図)。33カ月時のOS率は、ソラフェニブ群の21%に対してニボルマブ群では29%であった。

 

テルモ、オランダ新興を買収 がん治療に微粒子活用(2020/07/15 日経)

テルモは15日、がん治療に使う微粒子(ビーズ)製品を手掛けるオランダのスタートアップ、クイレム・メディカルを買収したと発表した。これまで19.9%を出資していたが、出資比率を100%に引き上げて完全子会社にする。買収金額は一時金が2000万ドル(約21億4000万円)で、売り上げの達成度などに応じて2030年までに最大2500万ドルを追加で支払う。

 

クイレム社は放射線を放出する医療用の微粒子を手掛ける。手術で切除できないほど進行した肝臓がんを、医療用細管(カテーテル)で治療する目的で使う。カテーテルで微粒子を肝臓の動脈に運び、患部で放出してベータ線と呼ぶ放射線でがん細胞を攻撃する。

 

がんをベータ線で治療する微粒子はこれまでもあったが、画像診断装置が検出できる波長の放射線(ガンマ線)も同時に放出するのがクイレム社の微粒子の特長という。クイレム社の画像診断用ソフトウエアを使えば、微粒子のがん細胞への集まり具合を正確に把握して効果的な治療ができる。

 

がん闘病中・ワッキー、現状を明かす「治療は順調ですが副作用でかなりキツい状態です」(2020/07/15 Yahoo)

 初期の中咽頭がんで闘病しているお笑いコンビ「ペナルティ」のワッキー(48)が15日までに自身のツイッターを更新し、治療による副作用について本音を明かした。

 

 現在、放射線化学療法による治療を受けているワッキーは「こんな世界的なスターからもメッセージいただきました。本当にありがとうございます。僕は幸せ者です」とサッカー元スペイン代表のルイス・ガルシア氏、フェルナンド・モリエンテス氏から激励のメッセージが届けられた動画を添付。

 

 現在の状態については「僕の治療は順調ですが副作用でかなりキツい状態です」と明かし、「皆さんからの応援を励みに頑張っています」と応援のメッセージが力になっていると感謝した。

 

 名門・市船橋高のサッカー部出身で芸能界随一のサッカーファンで知られるワッキーは6月7日、ステージ1の中咽頭がんであることを公表。放射線化学療法による治療のため同8日から7月末まで入院し、8月末までの休養を予定している。

 

がんを専門とする計算病理学スタートアップのPaigeがシリーズB投資で75億円を調達(2020/07/17 TC)

 Memorial Sloan Kettering Cancer Center(メモリアル・スローン・キャッターリングがんセンター、MSK)から独立し2018年に創設された(未訳記事)スタートアップのPaige(ペイジ)は、AIを使ってがん病理学の理解を深め、高度ながん研究と治療に貢献している。Paigeは米国時間7月13日に、その成長過程の一里塚となるシリーズBラウンドでGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とHealthcare Venture Partners(ヘスルスケア・ベンチャー・パートナーズ)から2000万ドル(約21億円)を調達し、7000万ドル(約75億円)でクローズした。

 

英グラクソの血液がん治療薬、米FDA諮問委が支持-承認に向け前進(2020/07/15 Bloomberg)

英製薬会社グラクソ・スミスクラインは新しい血液がん治療薬について米国での承認獲得に向けて一歩前進した。米食品医薬品局(FDA)諮問委員会が14日、同薬の使用を支持することを全会一致で決めた。

 

 グラクソの電子メールによると、抗がん剤諮問委員会(ODAC)は多発性骨髄腫治療薬belantamab mafodotin(ベランタマブ・マフォドチン)に関し、一部の患者の視力に影響があったとの報告を踏まえた上で効果がリスクを上回ると判断し、承認を勧告した。

 

 この医薬品はがん領域のパイプライン(新薬候補)構築を推進しているグラクソが、今年承認を目指す3つのがん治療薬の1つ。4月には卵巣がん治療薬「ゼジュラ」が比較的早い段階の使用で米当局の承認を獲得しており、子宮体がん治療薬も年内承認を目指している。

 

 ベランタマブ・マフォドチンの臨床試験では患者の17%に角膜変性など視力への影響があった。承認されれば、B細胞成熟抗原(BCMA)標的の最初の治療薬になると同社は説明している。

 

ラクリマ・KOJIが食道がん公表「元気な姿で戻ってきたい」(2020/07/15 Yahoo)

 ビジュアル系バンド、ラクリマ・クリスティーのギタリストで、2人組ユニット、アリス・イン・メンズウェアとしても活動するKOJIが食道がんを患っていることが14日、分かった。

 

 「アリス-」の公式サイトで、「2カ月ほど前からギターKOJIが体に異変を感じ、検査したところ食道に腫瘍が見つかり、さらに詳しい検査を行った結果、食道がんであるという診断が出ました」と説明。転移はなく、抗ガン剤治療を行い、状況を見極め手術するという。

 

 KOJIは自身のツイッターに動画を投稿し、「とても体は元気で、腫瘍を取り除けば再発する心配も低いと聞いている。元気な姿で戻ってきたい」とコメント。治療とリハビリに専念するため、予定されていたライブ、イベントは中止となった。

 

アストラゼネカのリムパーザ、EUにおいてBRCA遺伝子変異陽性転移性膵がんの治療薬として承認取得(2020/07/15 PR TIMES)

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(北米およびカナダ以外ではMSD)は、7月8日、リムパーザ®(一般名:オラパリブ、以下、リムパーザ)が、生殖細胞系列BRCA遺伝子変異陽性(gBRCAm)転移性膵がんの患者さんの治療薬として、EUで承認されたことを発表しました。

 

膵がんは希少疾病であり、一般的ながんの中でも生存率が最も低く、生命を脅かす疾患です1。転移性膵がん患者さんの約5~7%がgBRCAmを有しています

 

がん患者の脱毛抑制を、リーブ21が頭皮冷却装置(2020/07/14 日経BP)

 各種脱毛を対象に発毛施術サービスなどを手掛ける毛髪クリニック リーブ21(以下、リーブ21)は、抗がん剤治療の副作用による脱毛の低減・抑制に向けた医療機器「頭皮冷却装置 セルガード」を2020年秋口をめどに発売する。2020年7月10日に開催した記者会見で発表した。

 

 同社では固形がん患者における薬物療法誘発性脱毛の抑制を目的とした医療機器として、同機器の承認を2020年3月6日に取得していた。想定するのは抗がん剤治療を行う日本全国のがん診療連携拠点病院での利用。価格は432万円(税別)を予定しており、販売目標台数は2000台以上。

 

「一人じゃないよ」がん闘病、ウィッグでつなぐバトン(2020/07/13 Yahoo)

 近年注目が集まるAYA世代(15歳~39歳の若年成人)のがん。年間2万人余りが発症し、なかでも20歳以後のがん症例の約8割は女性で、年齢に従い増加する傾向にあります。思春期を経て恋愛や結婚、仕事や子育てをしながらの闘病には課題も多くあり、孤独や誰にも言えない悩みを抱える女性も少なくありません。闘病を終えた女性から受け取った医療用ウィッグを、今まさに闘病する女性へ、想いとともに届けるNPOがあります。(JAMMIN=山本 めぐみ)

 

治療を終えた女性から提供を受けたウィッグを 闘病中の女性にレンタル

福岡市の中心部にあるレンタルサロン。交通の便もよく福岡県内外からアクセスしやすい場所にある

 

福岡県福岡市を拠点に活動するNPO法人「ウィッグリング・ジャパン」。がんの闘病を終えた女性から使わなくなった医療用ウィッグの提供を受け、これからがんと闘病する女性たちへ再提供する活動を行っています。

 

「ウィッグを通じてがんと闘う勇気をつなぎ、笑顔を届けています」と話すのは、代表理事の上田(うえだ)あい子さん(45)。全国各地からウィッグの寄付があり、福岡市内にあるレンタルサロンには3000を超える在庫があります。

 

【佐賀県みやき町】だ液によるがん発症リスクの研究を開始(2020/07/13 Net IB News)

 佐賀県みやき町は13日の記者会見で、福岡大学と医療法人社団如水会今村病院と連携し、だ液によるがんリスクの検査・研究を行うことを発表した。

 

 同町が推進する健康増進の施策「健幸長寿」のまちづくりの推進の一環によるもの。検査・研究では、福岡大学が倫理審査を行うなかで、みやき町でがん検査および特定検診を受けた住民や職員1,000名を対象に、バイオベンチャー事業の(株)サリバテック(山形県鶴岡市)が開発した、だ液でがんのリスクを評価する検査キット「サリバチェッカー」を用いる。

 

 だ液中には体内で生成される多数の代謝物が含まれている。同検査キットは、代謝物質に含まれるがん組織のなかから、特異的に濃度が上昇する物質を、最新の測定装置での分析およびAI(人工知能)で解析することで、がん(肺・膵・大腸・乳・口腔)の疾患リスクを評価できる。採血など体の負担がない「スクリーニング検査」だ。同検査の判定で陽性だった場合は、通常のがん検診を行い、陰性の場合は希望により、今村病院で通常の保険診療で費用の負担なく、それぞれ精査する。

 

あのキユーピー、がん発症リスク判定サービス事業化を目指す(2020/07/08 日経BP)

 キユーピーは、一般向け「がん予防サービス」の事業化に向けた取り組みを東京家政大学と共同で開始すると発表しました。同社では食でがんを予防する研究を2013年に開始、2018年には将来の発がんリスクを判定する研究を始めていたといいます。具体的には、(1)血液中のマイクロRNAの発現量と将来がんになるリスクの関係性、(2)特定の食成分の摂取によるマイクロRNAの発現変動、の2点を明らかにすることで、がんを予防しようとする研究とのこと。

 

 事業化に向けては、がんの増殖や転移に深く関わっている分子である血液中のマイクロRNAを早期かつ安価に測定する装置が必要。そこで、東京家政大学とヨコオが共同で開発した超高感度の遺伝子測定技術を利用し、がんやその他の疾病発症リスクの判定を目的としたマイクロRNA測定装置開発の共同研究を、ヨコオの協力を得ながら進めるとしています。

 

線虫がん検査、全ての検査解析プロセスを完全自動化(2020/07/06 日経BP)

 線虫がん検査「N-NOSE」を2020年1月に実用化したHIROTSUバイオサイエンス(関連記事:[速報] 線虫がん検査、一般に受けられる施設が明らかに)。同社はこのほど、全ての検査解析プロセスの完全自動化に成功したと発表した。

 

 大和酸素工業(愛媛県松山市)などの共同開発企業と連携し、自動解析装置を独自に開発した。同装置では、(1)線虫回収、(2)線虫洗浄、(3)解析シャーレに線虫を配置、(4)検体滴下、(5)自動温度管理下で静置、(6)撮像・行動解析など、一連の工程を自動で行える。

 

 これまでは、主に(1)~(4)に当たる工程を検査員が手作業で行っていた。これを今回の装置に切り替えることで、1台当たり年間6万3000検体の処理が可能となるという(検査員手作業時の約50倍)。同時に、解析温度や時間の厳密制御などにより、検査精度のさらなる安定化が望めるとしている。

 

オックスフォード大のコロナワクチン試験、「適切な免疫反応」(2020/07/02 ロイター)

[ロンドン] - 英オックスフォード大学のウイルス学教授のサラ・ギルバート氏は1日の議会公聴会で、新型コロナウイルスワクチンを開発する同氏のチームが後期(フェーズ3)臨床試験で適切な免疫反応を得たと語った。投与の準備がいつ整えられるかについては明確な言及を避けた。

 

ギルバート氏によると、治験対象人数を多数に広げ、年齢を19歳以上とする後期試験で、ボランティア8000人が、英製薬大手アストラゼネカにライセンスが供与されたワクチン「AZD1222」の治験に参加。後期試験はワクチンが感染予防と新型ウイルス感染症の症状にどう効果を持つかを評価する。

 

ワクチンの英政府専門チームを率いるケイト・ビンガム氏は、オックスフォード大のワクチン計画とは別に、来年初めまでに画期的な進展があることを希望すると発言した。

 

ギルバート氏は、オックスフォード大チームのワクチン開発がより早期に進むことを望むと述べたが、ワクチンの準備が整う時期のめどについては、治験の結果次第だと語るにとどめた。

 

膵臓がんになりやすい遺伝子変異を発見 日本人の1割に(2020/07/02 朝日)

 膵臓(すいぞう)がんのなりやすさに関連する遺伝子変異を見つけたと、愛知県がんセンター(名古屋市千種区)が発表した。この変異は西洋人ではほとんどないが、東アジア人にはあり、日本人では約1割が持っていると推定されるという。

 

 同センターや愛知医科大、名古屋大などの研究チームは、膵臓がんの患者約4千人と、がんではない約4万1500人を対象に、全ゲノムを網羅的に解析。16番染色体にある「GP2」と呼ばれる遺伝子の変異が、膵臓がんのリスクを上昇させていることを突き止めた。

 

 GP2は、主に膵臓に存在するたんぱく質。変異によってアミノ酸配列に違いができ、たんぱく質の働きが変化してリスクが上がった可能性があるという。

 

 膵臓がんは早期発見が難しいがんの一つで、愛知県がんセンターの松尾恵太郎・がん予防研究分野長(分子疫学)は「GP2を標的にした治療や予防ができれば、膵臓がんを減らすことができる」と話している。

 



【募集】がんと戦う医師、がんサバイバーを取材します!取材記者も募集中!

がん治療に取り組む医師、がんから社会復帰できた「がんサバイバー」の方を取材しています。自薦、他薦を問いませんので、是非、ご紹介ください。また、医療知識のある取材記者も募集しています。


がん経済新聞(株式会社JMDE内)

東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F MOV

Tel: 03-3400-3200    E-mail:  info@cancer-news.biz