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最新ニュース

がん細胞だけ攻撃する免疫細胞をオーダーメイドで作ることに成功 ゲノム編集技術の歴史と未来(2022/11/15 Newsweek)

 

米国のがん治療ベンチャー企業やカリフォルニア大ロサンゼルス校などから構成される研究チームは10日、「がん細胞だけを攻撃する免疫細胞」を各個人に合わせて作成することに成功したと、マサチューセッツ州ボストンで開催された癌免疫療法学会で発表しました。この成果は総合科学誌「Nature」にも掲載されました。

 

用いられたのは「CRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)」と呼ばれるゲノム編集技術で、身体を異物から守る免疫応答システムの司令塔の役割を果たす細胞集団「T細胞」をオーダーメイドでデザインし、増やしました。

 

がんに罹患すると、自覚症状の前でも異常な増殖をする細胞が体内に潜伏しています。CRISPR-Cas9で免疫細胞を強化することで発見と治療が可能と考えられており、すでにアメリカや中国では盛んに研究されています。

 

今回の米研究チームによる研究は、「CRISPR-Cas9によるオーダーメイド治療」と「T細胞を遺伝子操作して腫瘍を標的化する」という分野の2つの最新技術を組み合わせました。

 

遺伝子操作されたT細胞を使う治療法は「CAR-T細胞療法」と呼ばれ、全身を循環する血液がんやリンパがんの治療では有効とされていますが、固形腫瘍では難しいと考えられてきました。

CAR-T細胞は腫瘍細胞の表面に発現しているタンパク質にのみ有効なこと、固形腫瘍では表面に発現するタンパク質に個人差があることが理由です。

さらに白血球の一種であるT細胞は血流で腫瘍まで運ばれますが、腫瘍細胞が免疫を抑制する化学シグナルを出すこともあり、その場合は腫瘍に近づくとT細胞の機能が低下してしまいます。

 

研究チームは、乳がんや結腸がんの患者16人に対して、固形腫瘍の変異タンパク質を特定し、どの変異にT細胞が応答して細胞の破壊反応を引き起こす可能性が高いか予測しました。その後、腫瘍の変異を認識できるT細胞受容体をオーダーメイドで設計して、患者の体内にCRISPR-Cas9でゲノム編集したT細胞を注入しました。

 

その結果、遺伝子編集されているT細胞は編集されていないT細胞よりも腫瘍の近くに高濃度で存在していること、1カ月後に16人中5人の腫瘍が安定している(成長していない)ことなどを確認しました。チームは今後も、「免疫抑制シグナルに応答するT細胞側の受容体を除去する」といった改良したCAR-T細胞療法を考えています。

 

「オプジーボ」投与で老化細胞が減少、身体機能改善…東大などチーム発表(2022/11/3 読売)

 

がん免疫治療薬「オプジーボ」をマウスに投与すると、体内の老化細胞が減り、身体機能が改善したとする研究成果を、東京大と金沢大のチームが発表した。様々な臓器・組織の老化防止や生活習慣病の治療につながる可能性があるといい、論文が2日付の科学誌ネイチャーに掲載される。

 

肝臓に蓄積する脂肪を観察した顕微鏡画像。上段は正常なマウスで、下段は脂肪肝のマウス。下段左側は白い脂肪が目立つが、オプジーボを投与したマウス(下段右)では脂肪が減っている(中西真・東京大教授提供)

 細胞の多くは時間がたつと分裂して新しい細胞に置き換わる。分裂しなくなった老化細胞が増えると周囲に炎症が起き、がんや高血圧などの疾患の原因になる。通常は免疫細胞の働きで除去されるが、加齢で増えるメカニズムは謎だった。

 

 

 チームが加齢マウスの老化細胞を調べると、一部の細胞の表面に「PD―L1」という分子が多くくっついていた。この分子が免疫細胞の表面にある分子「PD―1」と結合し、免疫を弱めることがわかった。

 

 チームは、PD―L1が老化細胞を増やす原因とみて、免疫細胞との結合を邪魔して免疫を活性化させるオプジーボを加齢マウスに投与した。その結果、様々な臓器で老化細胞が顕著に減少して握力が回復したほか、脂肪肝のマウスでは肝機能が改善したという。

 

がん放置療法の近藤誠医師死去 かつて語った「一人の意見は『抗がん剤をやめさせる』根拠にはなる」(2-22/08/18 AERA)

 

『患者よ、がんと闘うな』などの著者として知られる近藤誠医師(73歳)が亡くなった。近藤医師の著書『医者に殺されない47の心得』(2012年刊)がベストセラーとなっていた2013年に、『週刊朝日』ではその科学的根拠をめぐる検証記事を企画し、複数の専門医と近藤医師(当時・慶応大学放射線科講師)に取材を敢行していた。

がんの9割は、治療するほど命を縮める。放置がいちばん--。そんな過激な主張を繰り返していた近藤医師は、学術的な論文などではなく、もっぱら一般向けの書籍や雑誌でしか主張を発表してこなかった。その理由はどこにあったのか? 当時の記事(週刊朝日2013年6月21日号、28日号)から抜粋して振り返る。

 

*   * *

 

 近藤医師は1980年代から、「がんを見つけたら手術や抗がん剤治療をしたほうがいい」という通念に誤りがあると指摘してきた。

 

『医者に殺されない47の心得』の中で近藤医師は「がんの9割は、治療するほど命を縮める。放置がいちばん」「がん検診は、やればやるほど死者を増やす」と説いていて、その論の根幹として、「抗がん剤の臨床試験には人為的操作が入っている」といった問題点を挙げている。

 

「これまでの僕の本では、肝心なところは根拠となるデータを示していたけど、一般の人には読みにくいでしょう。だから今回(の『医者に殺されない47の心得』)は、結論だけ書いてある。いちいち論文根拠は示さない。

そうするとわかりやすくなる。それは執筆にあたって工夫したところで、それゆえに読者の支持を得ているわけ」(近藤医師)

 

 その内容は、現在の医療の常識とはかけ離れた主張で、しかも断定的な論調で書かれている。近藤医師はこう続ける。

 

「根拠というのは、聞かれたときに示せばいい、という考え方もある。僕のほかの本には専門的な根拠が書いてあるわけだから、読者が、僕の主張の根拠を知りたければ、それらの本を読めばいい」

 


【宣言】がん、コロナをぶっつぶーす!(薬事医療コンサルタント 持田 騎一郎)


【臨床試験】新型コロナ感染後の重症化ゼロ、死亡ゼロを確認した高吸収型イタリアケルセチン(ケルセフィット)

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【新型コロナ2021】高吸収型ケルセチン(ケルセフィット)の臨床試験結果
「高吸収型イタリアケルセチン(インデナ社ケルセフィット®)」は、臨床試験において新型コロナ感染後の患者の重症化リスク低減、死亡率を低減する効果が確認されました。
実施期間、国:2020年9月~2021年3月、パキスタン
対象:新型コロナPCR検査陽性で入院の必要のない無症状または軽症者152人
試験方法:被験者を2群に分け、標準治療*群と標準治療と「高吸収型イタリアケルセチン(インデナ社ケルセフィット®)」の併用摂取による治療群を比較
期間:30日間
結果は、「高吸収型イタリアケルセチン(インデナ社ケルセフィット®)」併用摂取群は、発症後の入院率を1/3に、入院後の入院日数を1/4に、酸素吸入器の使用率1/15に、重症化によるICU使用率を0%に、最終的に、新型コロナ陽性者の死亡率0%と劇的な効果を示しました。
COVID19試験 抜粋.pdf
PDFファイル 798.4 KB
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論文:“Possible Therapeutic Effects of Adjuvant Quercetin Supplementation Against Early-Stage COVID-19 Infection: A Prospective, Randomized, Controlled, and Open-Label Study” F. D. Pierro et al
2021-Jun-8 152人 インデナのケルセフィットのCovid-19 パキ
PDFファイル 269.9 KB

【動画セミナー】がん免疫治療とは?本庶佑先生が発明したオプジーボとは?


【動画セミナー】オプジーボ+水素ガス がん免疫治療~医師・赤木純児~

【標準治療】最新の肺がん治療(2019年、日本癌学会市民公開講座)

第34回 日本癌学会市民公開講座(2019/10/28)

「肺がんの最新治療と免疫療法~大きな効果を得るために~」

萩原 弘一(自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門 教授)


【がんの大学】がん光免疫療法とは?楽天が医薬品として世界初承認!


【動画】新型コロナに効く?レムデシビル、アビガン、大麻CBD(2020/05/22)


【がんの大学】白川太郎(医師、医学博士):本庶佑が認めた医師発見 がん細胞は3種類あった!(2019/6/23)


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【News】がん関連 最新ニュース

特例承認された治療薬「エバシェルド」 コロナ対策の決定打になるか? 免疫を得にくい人には期待大(2022/09/01 カンテレ)

 新型コロナの新しい治療薬「エバシェルド」が特例承認されました。新型コロナウィルス対策の決定打となるのでしょうか。

 

 8月30日、特例承認された新型コロナの新しい治療薬「エバシェルド」。イギリスの製薬大手アストラゼネカの注射薬で、重症化リスクのある患者に投与することとされています。さらにこの薬、初めて“ある効果”が確認されました。

 

【加藤勝信 厚労相】

 

「ワクチン接種で十分な免疫応答が得られない可能性がある方がいらっしゃいます。そういった方などにおいて、“ウイルス暴露前の発症抑制”に使用できる初めての薬剤となります」

 

 「エバシェルド」に期待されている、“発症抑制効果”。海外の治験では、コロナウイルスに感染していない人に対して、1回の注射でおよそ8割、発症を抑えられたことが確認されました。

 

免疫不全や抗がん剤治療を受ける患者など、ワクチンの効果が得られにくい人に対して効果が期待されていて、その効果は半年ほど持続するとされています。

 

正常な細胞には感染しない「特殊ウイルス」で悪性脳腫瘍「小児脳幹部グリオーマ」を治療(2022/07/10 日刊ゲンダイ)

 

悪性腫瘍(がん)の治療は進歩を続けていますが、20年以上、あまりその予後が改善していない悪性腫瘍もあります。そのひとつが「小児脳幹部グリオーマ」という、脳にできる腫瘍です。その悪性度は非常に高く、診断されてから1年以上生きることは少ないと報告されています。

 

 この腫瘍が厄介なのは、手術が困難で、抗がん剤にも有効なものがない点にあります。放射線治療のみに一定の有効性があるのですが、その効果も一時的なことが多いのです。

 

 この厄介な腫瘍を治療するためのまったく新しい治療として、正常な細胞には感染せず、腫瘍のみに感染して腫瘍細胞を壊死(えし)させる特殊なウイルスを作製して、それを直接腫瘍に注入するという方法が開発されています。遺伝子技術で作られたこのウイルスを「腫瘍溶解性ウイルス」と呼んでいます。

 

 実際に、どの程度の効果があるのでしょうか? 今年のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載された論文によると、12人の小児患者にこのウイルスを注入したところ、多くの患者が1年半以上生存し、3人では明確な改善が認められました。

 

 一方で、まひなどの合併症も報告されていますから、現時点でこの治療が確実に有効とは言い切れません。ただ、これまで治療が困難だったがんの新しい治療法として今後注目であることは間違いないと思います。

 

大腸がん再発の仕組み解明 化学療法「がん幹細胞が腸にしがみついて」回避―慶応大(2022/07/08 時事)

 慶応大の研究チームは、大腸がんの元になる「がん幹細胞」が、化学療法の後も生き残り、再増殖する仕組みを明らかにした。日本人が罹患(りかん)するがんの中で、最も患者数の多い大腸がんの再発予防や根治療法開発につながると期待される。論文は8日、英科学誌ネイチャーに掲載された。

がん10年生存率58.9% 05~08年診断、改善続く(国立センター)

 

 増殖が早いがん細胞は、常に細胞分裂しているため、抗がん剤などの化学療法は分裂中の細胞を標的にする。一方、がん組織の中には、増殖の遅く抗がん剤が効きにくいがん幹細胞が含まれており、治療後に再発する原因となっていた。

 慶応大の佐藤俊朗教授らは、体内の大腸がんとほぼ同じ状態のまま、体外でがん細胞を増殖させる技術を開発。ヒトの大腸がん組織をマウスの背中に移植し、がん幹細胞の挙動をリアルタイムに観察した。

 

 その結果、休眠中のがん幹細胞はコラーゲンの一種を作り出して腸の組織に固着。強くしがみつくことで細胞を休眠させ、化学療法に耐えることが分かった。

 さらに、このコラーゲンがなくなるとYAPというたんぱく質が再増殖のスイッチを入れることも判明。大腸がん組織を移植したマウスに抗がん剤を投与した後、YAPの働きを弱める薬剤を投与すると、がん細胞の再増殖が抑制された。

 佐藤教授は「がん細胞を完全にゼロにするのは不可能。コントロールできた状態で寝ていてもらう方がいい。今後は臨床応用を視野に研究を進めていきたい」と話した。

 

乳がん細胞の死滅確認「苦痛伴わない治療」に光 ビール製造副産物混ぜた物質(2022/06/25 岐阜新聞)

アサヒグループホールディングス(HD、東京都)の研究子会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(茨城県守谷市)と農業資材製造販売の桂鉱社(岐阜県関市)は共同研究で、ビール製造工程で発生する副産物「ビール酵母細胞壁」と鉱物「石英斑岩(せきえいはんがん)」を混ぜ合わせた泥状物質が乳がん細胞を死滅させることを確認した。湿布のような形で患部に接触させる、苦痛を伴わないがん治療法として活用できる可能性があるという。アサヒグループHDは「詳細なメカニズムを解明し、新たながん治療の開発につなげたい」としている。

 

 アサヒグループHDなどによると、ビール酵母細胞壁は植物の成長や免疫力を高めるとして農業資材(肥料原料)などに活用されている。一方、石英斑岩は粉砕・加工して泥状にすることで酸化を抑える力が高まる。研究では、ビール酵母細胞壁に過熱水蒸気を用いて水熱反応させたものと、粉砕・加工した石英斑岩を混ぜ合わせた「還元性スラリー」を作製。乳がん細胞を培養した樹脂容器の外側に還元性スラリーを入れて3日間放置したところ、乳がん細胞がほぼ死滅した。研究成果は今月、日本抗加齢医学会総会で発表した。

 

 桂鉱社の桂川一彦社長は「社会貢献として喜んでもらえる人がいれば本望。研究スピードを上げる後押しになれば」と話している。

 

世界初の「がん悪液質の薬」はどんな効果を上げているのか?(2022/06/24 日刊ゲンダイ)

 医療技術は日進月歩。2年余りの新型コロナ禍でもがん治療は大きく進歩した。そのひとつとして注目されているのが昨年4月に発売された世界初のがん悪液質治療薬「エドルミズ」(一般名アナモレリン塩酸塩)だ。がん患者の生活の質(QOL)を維持・改善するのに重要な役割を果たす「がんサポーティブケア」(支持療法)の治療薬だが、どのような効果が出ているのか? 「江戸川病院」(東京都江戸川区)の放射線科の黒崎弘正部長に聞いた。

 

 

 がん悪液質とは、がんに伴う体重減少や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群のこと。進行がん患者の80%以上に認められ、体重減少や食欲不振といった典型的な症状以外に、抗がん剤などの効果の減弱、副作用や治療中断の増加、生存率にも影響を及ぼす。がんを患うと見る影もなくげっそりやせるのはこのためだ。しかし、これまでがん悪液質の治療薬はなかった。

 

「そもそもなぜがんになるとがん悪液質ができるのかというと、がん細胞とそれに対する生体反応として、正常細胞から炎症性サイトカインが大量に分泌されるからです。それが慢性的な炎症と代謝異常を引き起こし、骨格筋の減少を伴う体重減少と食欲不振を招きます。その結果、急激に体力や免疫力が低下し衰弱していきます。だからこそ、がん患者に対しては早期にがん悪液質治療を開始することが重要なのです」

 

 がん悪液質は、①「前がん悪液質」②「悪液質」③「不応性悪液質」の3つの連続した病期に分類される。

 

「①はごく軽い全身倦怠感、食欲低下が出現する時期で終末期前期にあたります。患者さんは抗がん剤治療を受けていることが多く、通常の日常生活を過ごしています。この時期に積極的な栄養介入が必要です。②は全身倦怠感が見られ、食欲が低下、徐々に衰弱が進行していく時期です。患者さんは徐々に治療するのがつらくなり、筋力低下が表れます。終末期前期から中期にあたります」

 

 ③では体力低下が顕著になり抗がん剤治療の効果が期待できなくなる時期で、余命の限られた状態となる。

 

「エドルミズは、これに対抗するためのもので、グレリンと呼ばれる物質に似た働きをする飲み薬です。グレリンは、主に胃から分泌される食欲ホルモンで、食欲高進や脂肪蓄積などの生理作用があります。つまり、体重、筋肉量、食欲、代謝を調節する複数の経路を刺激するわけです。エドルミズはこれと同じような働きをすることで、がん悪液質患者の体重と筋肉量を増加させ、食欲を復活させるのです」

 

 

がん細胞の活動には24時間のリズムが存在する、がん細胞が活発化する時間帯とは?(2022/06/24 Gigazine)

がんが進行すると、血中循環がん細胞(CTC)と呼ばれるがん細胞が血中を循環し、体中にがんが転移し始めます。この血中循環がん細胞には「ヒトが眠っている間に活発化する」という1日のリズムが存在することが判明しました。

These cancer cells wake up when people sleep

 

ヒトの体では24時間の間に遺伝子の発現量が変化しており、睡眠時と起床時では代謝や免疫の働きが変化します。この現象は「概日リズム」や「体内時計」と呼ばれていますが、チューリッヒ工科大学でがんについて研究しているNicola Aceto教授によると、がん細胞は「通常の細胞から完全に変異している」ことから概日リズムが存在しないと考えられてきたとのこと。

 

しかし、Aceto教授が率いる研究チームはがんを患ったマウスの血中CTC量が時間によって変化することを発見しました。この結果からヒトでもCTCに概日リズムが存在すると考えた研究チームは乳がんを患った30人の患者を対象に午前4時と午前10時の2回採血を行い、血中のCTC量を分析。その結果、午前4時に採血した血液には午前10時に採血した血液の約4倍のCTCが含まれていることが判明しました。

 

上記の結果が少数のヒトでのみ成立する結果ではなく一般的に成立する結果であることを確かめるべく、研究チームはマウスにCTCを移植し、1日を通したCTC量の変化を分析しました。その結果、マウスのCTC量は日中にピークに達し、CTC濃度が低いときと比べて88倍高い濃度に至ることが判明しました。マウスの活動は夜に活発化するため、この結果は「CTC濃度はマウスが休息する際に活発化する」ということを示してします。

 

上記の結果から研究チームは「CTCの活動は患者が眠っている時に活発化する」と結論付けました。一方でLudwig Cancer Researchでがんについて研究するChi Van Dang氏は睡眠時間を減らすと健康に悪影響が生じることや睡眠リズムの乱れががんの進行に影響するという研究結果をあげて「今回の研究結果は単にCTCに24時間のリズムがあることを示すもので、がん患者に睡眠時間を短縮するように求めるものではありません」と述べています。

 

「アニサキス」がんの発見や治療法に役立つ可能性 大阪大学(2022/06/23 テレビ朝日)

 魚に寄生する嫌われ者として知られる「アニサキス」が、将来がんの発見や治療法に利用される可能性があると大阪大学の教授が発表しました。

 

 大阪大学・境慎司教授:「皆が考えなかったことに対して取り組めているのは、自分としてはワクワクしながら研究に取り組むことができたポイント」

 

 大阪大学の境慎司教授によりますと、「アニサキス」などの線虫の表面を生きたまま、厚さ0.01ミリメートルほどの柔軟性のある膜でコーティングする方法を開発したということです。

 

 膜は透過性が高いため、線虫のにおいの検知能力や運動機能にはほとんど影響しません。

 

 この膜は素材を変えたり、酵素を含ませたりすることで様々な機能を持たせることができ、実験では紫外線への耐性を向上させる機能やがん細胞を死滅させる機能などを線虫に付与することができたということです。

 

 「アニサキス」は、がんのにおいを検出し、移動してがんに付着できる可能性があるとする研究結果も発表されています。

 

 「アニサキス」が、においでがんを探し出し、膜の機能でがん細胞を攻撃する新しいがん治療法につながることも期待されるということです。

 

 ただ、激しい痛みなど乗り越えなければならない課題もあります。

 

 境教授は「今後、不要になった場合にすぐに殺したり、痛みの原因となるアレルギー反応をなくしたりする技術の開発は必要になるが、将来的には、がんの発見や治療のために『アニサキス』を飲む日が来るかもしれない」としています。

 

脳に超音波ビーム、がんや認知症にも、薬を届ける新たな治療法(2022/06/22 日経BP)

 2021年春のある日、カナダ、トロントにあるサニーブルック健康科学センターのMRI室に、陽気で快活な63歳の男性、マイケル・バトラーさんが運び込まれた。元営業職幹部でオートバイ乗りの彼は、点滴につながれ、病院のガウンに身を包んでいる。あごにはきれいに整えられた白いひげをはやしているが、頭髪は剃り上げられている。この髪形になったのは、3カ月前、プラムほどの大きさの脳腫瘍を切除する開頭手術を受けたときだった。

 

 バトラーさんは、「集束超音波治療」という技術を用いて、脳に薬剤を投与する新たな手法の臨床試験に臨んでいる。多くの専門家は、この治療技術がいずれ、脳腫瘍からアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に至るまで、治療が不可能あるいは困難なさまざまな脳の疾患の医療に革命を起こすと考えている。

 

 今回の処置では、開頭手術の後に残ったがん細胞を破壊する薬剤の投与を目指していた。手術だけでは、脳のほかの部分に深刻なダメージを与えることなく、がんを完全に取り除けなかったのだ。

 

 そして、この新たな手法を使えば、「血液脳関門」というハードルがあっても、薬剤を脳に届けられるようになる。血液脳関門とは、脳を守っている非常に細い血管の内側を覆う、特殊な細胞からなる薄い保護膜のことだ。これは、病原体などの悪さをするもののみならず、有用なものの侵入も妨げてしまう。結果として、脳腫瘍や神経変性疾患の治療薬のほぼすべてが、実質上、最も必要とされる部位に到達できなくなる。

 

 脳は極めて壊れやすく、ダメージを受ければ元に戻すことができない。だからこそ、非侵襲的な(危険や痛みを伴わない)集束超音波治療には大きな魅力がある。すでに世界中の多くのチームが、超音波で血液脳関門を開くことは安全で実現可能であることを示しており、現在はその医療効果を証明する段階にある。(参考記事:「脳に電気刺激、うつ病や自己免疫疾患にも、進む研究」)

 

脳血管の関門をどのように開くのか

 集束超音波は最近考案されたものではない。1950年代から医療行為に使われてきた。15年前からは、子宮筋腫や前立腺がんの破壊、前立腺肥大の治療に使われている。

 

 今日、この治療法が適用されている病気や症状は160以上にのぼる。米食品医薬品局(FDA)が承認した技術の中には、パーキンソン病のふるえや一部の運動症状の治療に用いられているものもある(編注:日本も同様)。

 

 ただしこれらの活用法は、血液脳関門を開くこととは関係がない。

 

 血液脳関門という言葉は壁を連想させるかもしれない。だが、これは単一の構造物ではなく、血管の内側で互いに固く結びついた細胞のネットワークだ。これらの細胞は、先に述べたように、重要な器官を守ると同時に、脳疾患を治療する大きな障壁でもある。

 

 2015年、カナダの神経外科医トッド・メインプライズ氏とサニーブルックの科学者らは、集束超音波を使って固く結びついた細胞を解きほぐし、頭蓋骨に穴を開けなくても、安全に血液脳関門を開いてみせた。この技術によって、薬を脳内に入れるのに十分な時間を確保できる。また、この処置は完全に可逆的であり、関門は処置後24時間以内に自然に閉じられる。

 

 サニーブルックのチームは、2021年10月にも偉業を達成している。放射性タグをつけた治療用抗体が、関門を越えて乳房から脳に転移したがん細胞に届くまでを追跡したのだ。

 

 薬物送達を測定するこうした技術は医学を一変させるだろうと、集束超音波治療財団の創設者兼会長のニール・カッセル氏は言う。「この技術は、MRスキャンが診断に革命を起こしたのと同じように、治療に革命を起こすでしょう」

 

遠方から通う患者の支援へ がん専門病院にホテル 千葉 柏(2022/06/20 NHK)

がんの治療を受けるために、遠くから病院に通う患者も利用しやすい設備やサービスを提供するホテルが来月、千葉県にある日本のがん医療の中核を担う病院の敷地内にオープンすることになり、20日報道陣に公開されました。

 

ホテルは千葉県柏市にある国立がん研究センター東病院の敷地内に建設されました。

この病院は、がんの薬の治験を行う国内の拠点になっていることなどから、治療を受けたり、治験に参加したりする患者が全国各地から訪れていて、およそ1割の患者は2時間以上かけて来院しているということです。

ホテルは計画の段階からがん患者や家族から話を聞くなどしてニーズに応じた設備を整えたということで、145室の客室にあわせて300人余りが宿泊することができます。

客室には、緊急時に備え介護の研修を受けたスタッフとつながる呼び出しボタンがあるほか、人工肛門を装着している人に対応したシャワールームやトイレがある部屋や治療で長期滞在する人のためにキッチン付きの部屋もあるということです。

病院から情報を受けて、ホテルのスタッフが患者の状態に合わせて介助を行う体制も整えるということで、病院ではがん患者と家族に対応したホテルができるのは初めてではないかとしています。

大津敦病院長は「ホテルを活用することで、より多くの患者にこの病院の医療を提供できるようにしていきたい」と話しています。

 

坂本龍一、がんステージIVでも消えぬ情熱 『戦メリ』に苦しめられた過去からの解放(2022/06/16 ポストセブン)

 映画『戦場のメリークリスマス』(1983年公開)の音楽で世界的に評価を受け、『ラストエンペラー』(1987年公開)ではゴールデン・グローブ賞作曲賞、アカデミー賞作曲賞などを日本人として初受賞。この2本の映画には俳優としても出演し、重要な役柄を演じた。その後も国内外で音楽にまつわる賞を受賞するだけでなく、環境・平和活動にかかわるなど、音楽に留まらない存在感を示していった。そんな中、2014年に最初の病魔が襲った。中咽頭がんだった。

 

「坂本さんは予定していたコンサートやアルバム制作などを中止して、当時、生活の拠点を置いていたアメリカ・ニューヨークの病院で治療に専念しました。幸いにも放射線治療によってがんは寛解し、2015年8月には吉永小百合さん(77才)主演の映画『母と暮せば』(山田洋次監督)の音楽制作で復帰を果たしました。その後は、がんによくないとされる肉を食べることを完全にやめ、野菜中心の食生活を送るなど人一倍健康に気を使っていたようです」(音楽関係者)

 

 だが復帰から5年後の2020年6月、坂本の体に再びがんが見つかる。病院での検査を受け、直腸がんと診断されたのだ。

 

「5年前と同じ病院で、放射線治療と並行して抗がん剤治療を受けたようです。しかし、がんは消えてくれなかった。当時、坂本さんはがんとは別に物忘れに悩んでいて、その年の12月に帰国したときに脳の病気を疑って人間ドックを受けたんです。すると脳には異常がなかったものの、直腸がんが肝臓やリンパにまで転移していることがわかった。

 

 治療を受けていたニューヨークの病院では、転移していることを告げられていなかったため、病院側の“見落とし”の可能性も否定できない状況でした。坂本さんはニューヨークには戻らずに、東京で治療を受けることを決めました」(坂本の知人)

 

 帰国後に診てもらった病院で、坂本は衝撃的な事実を告げられた。

 

「何も治療をしなければ余命半年」「強い抗がん剤を用いても、5年生存率は50%」

 

手術は20時間、腸は30cm切除した

 突然の余命宣告。ショックを隠し切れない坂本に、セカンドオピニオンがさらなる追い打ちを掛けた。がんが最も進行した段階を示す「ステージIV」であり、両肺にも転移していることが判明したのだ。当時の心境を坂本は、6月7日発売の月刊文芸誌『新潮』7月号で始めた連載『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』の中で《はっきり言って、絶望的な状態です》としている。そんな絶望の中、坂本は昨年1月に手術を受けた。

 

「直腸と肝臓を2か所、リンパに転移したがん細胞を摘出しました。手術時間は20時間にもおよび、腸を30cmも切除する大手術だったようです」(坂本の知人)

 

 手術は無事に終わったものの、両腕には点滴、腹には5本の管を入れた闘病生活が始まった。さらに、傷口が回復するにつれて別の問題に悩まされた。1週間ごとに新たな合併症が見つかる状況に陥ったのだ。食事も喉を通らずに、体重は10kg以上減少した。体力の回復を待って、その年の10月と12月には、2回に分けて両方の肺に転移したがんを摘出する手術を受けている。

 

「手術によって、いま取り除ける腫瘍はすべて切除できたようです。ただ、病巣はまだ残っていて、増殖を続けている。今後は薬による治療を続ける必要があるそうです」(前出・坂本の知人)

 

 坂本がこれまで公表したがんは、昨年1月の摘出手術までだ。しかも当時、所属レコード会社はステージなどの詳細を明らかにせず、手術を受けて入院加療中という内容に留めた。坂本本人も公式ホームページに、《残念ながら、新たに直腸がんがみつかりました》とのメッセージを掲載し、詳しい病状には触れなかった。

 

第一三共とアストラゼネカのエンハーツ、乳がん治療効果高める可能性(2022/06/05)

・HER2低発現の乳がん患者の生存期間6カ月延ばす

・エンハーツ投与の治療から恩恵受ける患者層が広がる公算

 

第一三共と英アストラゼネカが共同開発する「エンハーツ」について、HER2タンパクが低発現の乳がん患者の生存期間を約6カ月伸ばすことが第3相臨床試験で示された。シカゴで開催の米臨床腫瘍学会(ASCO)でデータが公表されたもので、エンハーツを投与する治療から恩恵を受ける患者層は広がる可能性がある。

 

  同データによると、エンハーツはこうした患者について、がんの病状悪化がない無増悪生存期間を平均10.1カ月と標準的な化学療法のグループ(5.4カ月)の約2倍にしたほか、全生存期間も23.9カ月と同グループ(17.5カ月)に比べ大幅改善させた。第3相臨床試験の結果は当初、2月に詳細抜きで発表され、HER2低発現乳がん患者の死亡リスク低減効果が初めて示された。

 

  HER2は多くのがん細胞表面に発現するタンパク質で、高発現の場合は抗体を介してがんの進行を止めたり遅らせることができる。しかし、HER2陰性に分類される患者の約55%は低発現。米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの腫瘍内科医シャヌ・モディ氏がインタビューで語ったところによると、この低発現の乳がん患者に効果があると証明された抗HER2療法は他にないため、こうした患者層に標準的な治療法となりそうだ。HER2陽性の患者向けには米国で承認済み。

 

日本初!がんリキッドバイオプシーを利用した機能性表示食品のための免疫機能測定試験「免疫プロテオ試験」を5月9日に提供開始(2022/05/09 Newsweek)

一般社団法人 機能性表示食品検定協会(本社:東京都港区、会長:持田 騎一郎)は、機能性表示食品の「免疫機能の維持」を調べるために、血液1滴で、1mm以上のステージ0のがんを早期発見できるリキッドバイオプシー「プロテオ検査」を利用した免疫機能測定試験「免疫プロテオ試験」を開発し、2022年5月9日(月)に製薬会社、健康食品会社、医療機器会社へ提供を開始しました。また、株式会社ジーンクエスト(株式会社ユーグレナ子会社)が提供する遺伝子検査による解析もオプションで提供されます。

 

当協会では、がん免疫治療の専門医師と協議を重ね、「免疫プロテオ試験」を開発し、比較的短期間で、安価に、免疫機能を測定できる仕組みを提供します。この試験を利用した場合、最低1ヶ月、被験者10名程度で免疫活性の仕組みが分かるため、それを参考に、消費者庁が求める本格的な臨床試験を設計することができます。免疫プロテオ試験は、本格的な臨床試験の前のプレテストの位置づけです。

 

免疫プロテオ試験で利用する「プロテオ検査」とは、がん細胞が壊れることによってできるヌクレオソームの数を測定することで、血液1滴でステージ0(1mm以上)のがんリスクを判定することができる血液検査法、いわゆる、がんリキッドバイオプシーで、国内の有限会社マイテックが開発したものです。

その有効性はがん治療にあたる医師から高く評価され、がん難病の予防治療を研究する医師の会「日本先制臨床医学会」の推奨検査法にもなっています。

 

腫瘍抗原に依存しない自然免疫系キラーT細胞を発見、がん免疫療法に応用期待(2022/05/09 日経バイオテク)

がん免疫療法に応用可能と考えられる新たな免疫細胞集団が発見された。米Sloan Kettering Instituteの免疫学者であるMing O. Li氏らの研究チームが、キラー様活性を持つT細胞(killer innate-like T cells:ILTCKs)を同定し、2022年4月20日のNature誌に発表した。これまで知られている抗腫瘍免疫応答で働く標準的な細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)と異なり、特異的な腫瘍抗原を認識せず自然免疫系細胞のように振る舞い、IL-15を感知して起動する抗腫瘍免疫が確認された。

 

卵巣がん“光らせて見逃さない”試薬を開発(2022/05/09 NHK)

小さな卵巣がんの細胞を光らせてはっきり識別できるようにする試薬を、大阪公立大学などの研究グループが開発し、実用化すれば手術の際にがん細胞をより確実に切除できるようになると期待されています。

 

この試薬は、大阪公立大学やハーバード大学などの研究グループが開発しました。

近赤外線のレーザー光をあてると光る色素でできていて、卵巣がんの細胞にとりこまれ、蓄積される性質を持っているということです。

この試薬を卵巣がんのマウスに血管から投与し、手術中にレーザー光を当てたところ、がん細胞が光って1ミリ以下の小さながん細胞でもはっきり識別できるようになり、肉眼だけで行う際のおよそ2.5倍の量、細胞を切除できたということです。

卵巣がんは、小さながん細胞がおなかの中に散らばった状態になることが多く、手術の際に医師が目で見たり手で触ったりして小さながん細胞を除去しきるのは、難しいということです。

今回の試薬が実用化すれば、卵巣がんの細胞をより確実に切除できるようになると期待されます。

研究グループの大阪公立大学大学院医学研究科の福田武史講師は、「一般の手術で使えるようにして、卵巣がんの治療成績の向上につなげたい」と話しています。

 

がんの進行を急速に早める…がん治療医がすぐさま摂取をやめさせる"ある食べもの"体内環境を、がん細胞が好む「酸性」に傾けないようにする(2022/05/09 プレジデント)

がんや生活習慣病を予防するにはどうすればいいのか。京都大学名誉教授の和田洋巳医師は「がん細胞は酸性の環境を好むため、体内環境を酸性に傾ける食品は控えたほうがよい。特に甘いチーズケーキなどの乳製品は最悪だ」という――。

 

白米の代わりに玄米、パンは全粒粉パンを選ぶ

炭水化物は糖質と呼ばれるように、体内で糖(ブドウ糖)に変換された後、正常細胞のエネルギー源として使われます。ところが、がん細胞もまたブドウ糖をエネルギー源としており、正常細胞の約40倍にも上る数のブドウ糖輸送器を使って、とりわけ必要量を超えて変換されたブドウ糖を次々と取り込みます。

 

そこで、必要量を超える量の炭水化物を摂取しないこと、すなわち炭水化物の摂取量を控えめにすることが、まず重要になってきます。加えて、血糖値を急激に上昇させるような摂取の仕方をしない、という点にも留意が必要です。血糖値が急激に上昇している状態は、まさにブドウ糖が必要量を超えている状態そのものだからです。

 

したがって、炭水化物を摂取する場合は、体内で一気にブドウ糖に変化する白米、一般的な小麦粉を使用したパンや麺などをできるだけ避け、例えば白米の代わりに玄米、一般的な小麦粉を使用したパンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、グリセミックインデックス(食後血糖値の上昇度を示す指数)の低い食品を摂取するといいでしょう。

 

ZENT名古屋北店にて線虫検査による「パチンコ店がんリスク判定検査トライアル」実施/善都(2022/05/09 遊技日本)

 

善都は、日本初となる「がんの早期発見」による健康な街づくりの実現を目指した「パチンコ店がんリスク判定検査トライアル」を4月29日・30日に実施し、検査スペースの無償提供、検査活動補助を行った。

 

「パチンコ店がんリスク判定検査トライアル」は、街の身近な場所で気軽にがん検査を受けられる環境をつくることで、がんの早期発見を増やし、がん死亡者数の減少に繋げることを目的に、株式会社森創、株式会社京楽と同社が連携して実施。体と金額に負担の少ない「がんの一次スクリーニング検査N-NOSE(エヌノーズ)」を活用した。ZENT名古屋北店(名古屋市北区)にて実施された検査には、両日合わせて250名が参加した。

 

トルコのナノバイオ技術スタートアップが起こす、がん治療のイノベーションとは?(2022/05/06 MASHING UP)

毎年、世界では1,000万人近い人々が、がんで亡くなっている。新型コロナウイルスの流行以来、2年間の世界の累計死者数が約600万人であるということからも、がんの恐ろしさがよく分かる。近年は早期治療で治ることが多いとはいえ、副作用が強い抗がん剤治療は、肉体的にも精神的にも大きな負担が伴う。

 

この問題に正面から向き合うのが、トルコのナノバイオテクノロジースタートアップ、RS Research(RSリサーチ)だ。「Cure With a Smile(笑顔でいられる治療)」をモットーとして掲げる同社は 、腫瘍にのみ選択的に薬剤を届け、副作用を減らす、独自のプラットフォームを発明した。開発を率いるのは、同社の共同創業者でCSO(チーフ・サイエンス・オフィサー)のラナ・サンヤル(Rana Sanyal)博士。がん治療の分野にイノベーションを起こすサンヤル博士に、話を聞いた。

 

サンヤル博士がキャリアをスタートさせたのは、米国カリフォルニア州の、アムジェンという世界的なバイオテック企業だ。そこで抗がん剤などに使う分子を合成し、医薬品として使用するプロセスを経験。研究者として4年ほど働くなかで、薬品開発のノウハウを身につけた。

 

母国のトルコに戻ってからは、イスタンブールの名門ボアズィチ大学で研究職に就いた。そこで取り組んだのが、「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」の研究だ。DDSとは、薬剤を体内の狙った部分にのみ選択的に運ぶ技術。健康な組織には作用させないことで、副作用を抑える。

 

「当時、研究室の院生たちと共にキャリアとして使える高分子の合成に取り組んでいました。そして、そのうちのいくつかは、『治療に使えるかもしれない』という手応えを感じるようになりました」

 

開発を本格化させるため、博士は2015年に共同創業者と共にRSリサーチを立ち上げた。彼女らは迅速に意思決定を下し、スピーディに開発を進めるため、大手製薬会社と組むのではなく起業を選んだ。

 

RSリサーチで開発している薬物キャリアには、腫瘍細胞のレセプター(生物の体にある、外界や体内からの何らかの刺激を受け取る構造)にのみ結合する物質が取り付けてある。そのため、標的にたどり着くまで毒性の強い薬剤を漏らさず運んでいき、腫瘍の細胞の中に入った段階で初めてそれを放出する。

 

この独自のプラットフォームを医薬品メーカーなどに提供し、薬の共同開発を行うというのがRSリサーチのサービスのひとつだ。これまで副作用が多くて臨床試験に進めなかった薬も、同社のキャリアに入れることで使えるようにする。特許は、日本を含む58カ国で取得しており、世界では共同開発の仕組みが整いつつある。これは、日本の医薬品開発企業にとっても、チャンスになるはずだ。

 

住友ファーマ、前立腺がん治療薬承認 欧州で取得(2022/05/02 日経)

住友ファーマは2日、前立腺がん薬として欧州医薬品庁(EMA)に提出した新薬候補「レルゴリクス」の販売申請が承認されたと発表した。進行性の前立腺がんの治療薬としては、欧州では初めての経口治療薬になる。従来は注射型が主流だった。

 

レルゴリクスは連結子会社のマイオバント・サイエンシズが開発を進めていた。米国では既に販売している。住友ファーマは主力の抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れが2023年に迫る中、レルゴリクスをラツーダに代わる薬の一つと捉えている。

 

がん検診受診で給付金 明治安田が業界初の保険投入へ(2021/04/28 Yahoo)

明治安田生命保険の永島英器社長は27日までに産経新聞の取材に応じ、女性特有がんである「乳がん」と「子宮頸がん」の検診を受けただけで給付金が受け取れる保険商品を6月に投入すると明らかにした。検診の結果、異常がなかった場合も給付金が支払われる保険商品は業界初。低迷するがん検診の受診率向上を促すとともに、女性の健康増進や活躍推進を図る狙い。

 

永島氏は「こうした保険商品で、がん検診の未受診者が受診するよう背中を押したい」と述べた。

 

新商品は、健康診断の結果に応じて保険料がキャッシュバックされる健康増進型保険の特約として販売。2年に1回、乳がんか子宮頸がんの検診を受けて、異常が見つからなければ検診支援給付金として2万円が支払われる。がんと診断された場合は保険金に加え、入院や通院に対する給付金が支払われる。特約の保険料は年齢に応じて月1千~2千円程度となる。

 

平成28年実施の国民生活基礎調査によると、国内の乳がんと子宮頸がんの受診率は約4割で、8割近い受診率の米国や英国に比べ低い。日本対がん協会の調査では、新型コロナウイルス禍で医療機関が逼迫(ひっぱく)した影響で、令和3年のこれらのがんの受診者数は元年比で1割近く減っている。

 

10万人以上を対象としたBRCA1/2遺伝子の14がん種を横断的解析

-東アジアに多い3がん種へのゲノム医療の可能性-(2022/04/15 理化学研究所)

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター基盤技術開発研究チームの桃沢幸秀チームリーダー、碓井喜明特別研究員(岡山大学客員研究員、愛知県がんセンター任意研修生)、関根悠哉大学院生リサーチ・アソシエイト(研究当時、現秋田大学大学院生)、東京大学の村上善則教授、松田浩一教授、愛知県がんセンターの松尾恵太郎分野長、国立がん研究センター中央病院の吉田輝彦部門長、佐々木研究所附属杏雲堂病院の菅野康吉科長、昭和大学病院の中村清吾特任教授らの国際共同研究グループは、乳がんなど4がん種の発症リスクの上昇に関与する遺伝子(原因遺伝子)とされるBRCA1・BRCA2の両遺伝子(BRCA1/2遺伝子)が胃がん、食道がん、胆道がんの発症リスクも上昇させることを明らかにしました。

 

本研究成果により、BRCA1/2遺伝子のゲノム情報を用いた個別化医療がより幅広い形で進展することが期待できます。

 

今回、国際共同研究グループはBRCA1/2遺伝子について、バイオバンク・ジャパン[1]が保有している日本人集団における14種のがんについて、がん患者とその対照群の合計10万人以上を対象として、世界最大規模のがん種横断的ゲノム解析を行いました。その結果、BRCA1/2遺伝子は既に関連が知られている乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵がんの4がん種に加えて、東アジアに多い胃がん、食道がん、胆道がんの3がん種の疾患リスクを高めることを発見しました。この結果は、BRCA1/2遺伝子に病的バリアント[2]を持つ患者に対して、既知の4がん種だけでなく新たに同定した3がん種についても、早期発見スクリーニングの実施や、PARP阻害剤[3]の治療効果が期待できることを示しています。

 

本研究は、科学雑誌『JAMA Oncology』オンライン版(4月14日付:日本時間4月15日)に掲載されました。

 

島津製作所、がん光免疫療法で新製品 創薬研究で活用(2022/04/21 日経)

島津製作所は21日、「第5のがん治療法」と期待される光免疫療法の創薬研究で使用する新製品を発売した。光免疫療法はがん細胞に結びつく薬剤を患者に投与し、薬剤ががんの近くに集まった後に近赤外光のレーザー光を当てて細胞を壊す。島津が持つ近赤外光を用いた測定技術のノウハウを活用した。

 

新製品は非臨床試験で使用する。光に反応する試薬をがん細胞を壊す薬剤に結びつけて動物に投与して、近赤外光を照射。試薬の光る強さや時間を撮影・計測することで、薬剤の分布や働き具合を見ることができる。価格は税別で1850万円からで、1年間で10台の販売を目指す。海外でも数年以内で販売開始を予定しているという。

 

島津製作所は楽天グループの楽天メディカル(米カリフォルニア州)と光免疫療法を共同で研究しており、今後は臨床試験(治験)で活用する機器の開発も目指している。同療法を巡っては、関西医科大学(大阪府枚方市)が1日に世界初の研究所を設立するなど注目を集めている。

 

がん細胞に浸透し死滅させるナノマシン 韓国で開発(2022/03/20 KBS)

韓国の研究グループが、ナノサイズの高分子構造、いわゆるナノマシンを使って、がん細胞に選択的に浸透させて死滅させる新しいタイプのがん治療方法を開発したと発表しました。

KIST=韓国科学技術研究院は20日、生体分子認識研究センターのチョン・ヨンド博士率いる研究チームが、蔚山(ウルサン)科学技術院などと共同で、折れたり伸びたりする分子の動きによってがん細胞の膜を突き抜けてなかに浸透し、がん細胞を死滅させるナノマシンを開発したと明らかにしました。

ナノマシンは、エネルギーを使用して機械的に動くナノサイズの構造体です。

開発されたナノマシンは、2ナノメートル(nm)ほどのナノ粒子を軸とし、有機分子を動くように設計したもので、がん細胞の膜に到達すると折れたり伸びたりして細胞の中に浸透し、細胞の内部で特に分化した形態や機能を持つ構造、細胞小器官を壊して死滅させます。

研究グループは、「治療用薬物を送達するカプセル型とは異なり、抗がん剤を使わず機械的な動きによってがん細胞を直接殺す仕組み」と説明したうえで、「従来の抗がん治療の副作用を克服できる新しい代案になるだろう」と期待を示しました。

今回の研究結果は、アメリカの学術誌、米国化学会誌「JACS(Journal ofthe American Chemical Society)」の最新号に掲載されました。

 

山口大学が次世代免疫療法~「PRIME CAR-T細胞」開発 臨床試験も開始(2022/03/18 テレビ西日本)

これまで治療が困難だったがんにも効果が期待できる新たな医療技術、次世代免疫細胞の開発が国に高く評価され、山口大学で記者会見が行われました。

 

国の支援を受け先端のがん治療を研究している山口大学の玉田教授を中心とした研究グループは、次世代の免疫細胞療法として期待できる「PRIME CAR-T細胞」を新たに開発し、これまで治療が困難だった進行したがんにも有効との研究成果を発表しました。

 

「PRIME CAR-T細胞」は、さまざまな種類のがん細胞に対応して攻撃すると共に、患者自身の免疫細胞を活性化し、がんへの攻撃を引き起こす革新的な技術です。

 

玉田教授らはすでに人への臨床試験を始めていて、今後は、「PRIME CAR-T細胞」の大量培養に向けた自動化システムの開発も進める計画です。

 


光で狙った細胞を自死させることに成功、副作用ないがん治療へ 岡山大(2022/03/07 Science Portal)

 がん(悪性新生物)は、わが国で40年にわたり死因のトップを独走している。2020年には約38万人が死亡し、死因の実に3割近くを占める。高齢化で患者が増加する一方、診断や治療法の進歩などにより、生存率は改善傾向にあるといわれる。

 

 こうした中、がん治療に大きな革新をもたらす可能性のある成果が、岡山大学の研究グループから挙がった。微生物が持ち、光を感じて細胞をアルカリ化するタンパク質を使い、狙った細胞にアポトーシス(自死)をさせる技術を開発した。実用化できれば、従来の「ネクローシス」(壊死)の方法とは根本的に異なり、副作用の起こらない治療法になるという。

 

光を感じるタンパク質に着目

 がん治療では、がん細胞を死なせることが重要だ。その主要な手段である薬剤は、多くががん細胞だけでなく周囲の正常な細胞にも作用し、副作用を起こす問題があった。光を使った治療としてはこれまで、がん細胞に薬剤を集め、光を当てて殺すいくつかの方法が見いだされてきた。中でも光免疫療法は、免疫の仕組みも巧みに利用する画期的な治療法として近年、注目されている。

 

 一方、岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬学系)の須藤雄気教授(生物物理学)は「これらはいずれも化学物質を使い、活性酸素や熱で物理的にネクローシスを起こす方法。改良が進むにせよ、副作用をなくせない」と指摘する。

 


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